「ムーアは痩せる?」キャピタリズム マネーは踊る ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ムーアは痩せる?
やっと今作がシネコンにきた。(爆)
日比谷まで出掛けても良かったんだけど^^;
座り心地から近所のシネコンを選び、待ってしまった。
まぁもっと待てば、いずれ名画座にくることも必至…?
早く観るか遅く観るかは構わないとして、
この人の突撃アポなし取材!もすでに方々で知れ渡り、
数々の妨害や攻撃に遭ったせいか?やつれて見えた。
前半はほとんど回想フィルム映像の繋ぎ合せが多く、
彼が意気揚々と動き回ってくれたのは、中盤過ぎである。
いわば彼の映画で、彼の見せ場が削られているに等しく、
マネーと共に彼が躍ることを期待した観客はアレ?となる。
だが、言っていることは面白い。
リーマンショックに端を発した米国の経済危機は、すでに
世界中に否応なく不況の津波を引き起こしてくれており、
「信用」とは、いとも簡単に崩落することを証明してくれた
日本の某証券会社の経営破綻を思い起こさせてくれる。
その何年か後に当時勤めていた保険会社が破綻した私、
彼が友人だったらなぁ~なんて
(それでどうなったもんでもないが)今さらながら思える^^;
しかし、どうにもならないのは国民性?という。
資本主義云々の前にこの米国という国は徹底個人主義。
そんな価値観の元で富裕層に助け合いの精神を求める
なんてことは国民皆保険に賛成させるのと同じ位難しい。
(オバマさん、頑張れ!)
前作「シッコ」で描かれていた国民性は今作まで進歩なく、
低所得者がサブプライムローンに苦しみ、家を空け渡すか
占拠するべきかというリアルなシーンを見せつけられても、
制度下の羊・日本人には今ひとつ胸に迫りくるものがない。
しまいには「神」だ。神父さまが資本主義を批判されてるぞ。
そうか、困ったときの…ってこれをいうんだな。
彼が突っつく箇所は唐突で面白いが、突っ込み所も多い。
その裏側ってどうなってるの?と思う部分の説明が、ない。
例えば前作で、
優れた福祉体制の裏側に高額な税金システムがあることを
いちいち説明していては、きっと彼の身がもたないのだ^^;
では徹底個人主義民族を納得させるのは至難の業なのか。
そこでラストの本音。
「私ひとりではもう無理だ」。「あなたの力が必要だ」。
ごもっともです、監督。
(断食デモなど如何ですか?きっと身体にもいいと思いますよ。)