行旅死亡人のレビュー・感想・評価
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前半は面白いが、後半が拍子抜け
映画の取っ掛かりはゾクゾクする感じの面白さでした。
でも次第に謎が明らかになって来るに従って、「何だよ!2時間サスペンスドラマかよ!」的な批判を受けるのは間違い無いでしょうね。後半はかなり拍子抜けしてしまいました。
本来は、愛する人に会いたくて会いたくてどうしょうも無いのに、どうしても会えない悲しい女の物語の筈です。自分が生きている事すら在ってはならない存在に、満足しなければいけない人生なんて…。
作品の中で伏線が張られているんですが、どう見ても「あれ?何か関係有るんじゃない?」…と、誰が見ても勘ぐられてしまっては伏線としては失敗でしょうね。成功させるのも難しいでしょうが。
前半部分の女友達2人による捜索ですが、お互いに演技力自体ははっきり言って全然無いんですが、お互いの会話のやり取りがとても自然体なのでとても面白かったですね。
逆に後半保険金を巡る事件性の話になって、調査員が登場して一気に解決の方向に行くのですが。
この辺りから映画は完全にグダグダになって行く感じです。
所詮は調査員による憶測の回想なのだから、「知らないよ!」この一言を言われたら終わってしまうんですよね。
大体何故この2人は別れ別れで暮らして居る必要が有るのかがさっぱり意味不明なのがどうも…。
一応は「○○が成立するまで我慢しようね…」って事らしいけれど、○○○が支払われている現状…「会えば良いじゃねえか!」…と、誰だって思うんですけどねぇ。
(2009年11月16日シネマート新宿/スクリーン2)
モントリオール世界映画祭の出品基準が、よくわからない
『ヴィヨンの妻』が
最優秀監督賞を受賞した
2009年モントリオール世界映画祭。
今作も同映画祭に正式招待。
そんな情報をリーフレットで読み、
メンズデーに駆けつけてしまいました。
しかし、この時点では、
リーフレットを詳しく読んでいたが、
トリックの浅さに奈落の底に突き落とされるような
気分にさせられることを知る由もありませんでした。。。
★彡 ★彡
着想・手法はOK!
でも、トリックがずさん過ぎでしょ。
『ニセ札』
『白日夢』
脚本を担当した井土紀州さんが監督。
講師を務める
日本ジャーナリスト専門学校。
講師陣の間で映画製作の話が盛り上がり、
10年前に実際に起きた事件をベースに作られた。
驚いたのは、製作費。
なんと350万円!!
ですので、役者は
オーディションで新人ばかり。
知っている人、一人もいませんでした(苦笑)
◇ ◇
では、感想を順番に書いていきましょう。
①トリックが杜撰
『古畑任三郎』
現在、フジテレビが全日視聴率1位をキープするため
TBSの『水戸黄門』が如く、再放送をしています。
DVDを購入するほどのファンではありませんが、
好きなドラマですので、録画し毎日楽しんでいます。
ネタバレになるので、詳細は触れませんが、
このドラマを観ているものから言わせると、
あまりにも殺害方法が杜撰です。あれでは、
警察も保険会社も騙されるはずがありません。
そもそも根っこの疑問として、
遺体は何処に行ったのでしょうか?
作中で詳しくは触れられませんでしたが、
DNA鑑定をすれば一発で嘘は見破られたはずです。
②役者の演技
オーディションで新人だらけだから
仕方がありませんが、お互いのセリフを
受けあってないシーンが多々見られました。
自分のセリフの表現で頭が一杯なんでしょうね。
だから、それ単体で見れば正解かもしれませんが、
相手のセリフに対するリアクションとしては不正解なんです。
中でも一番残念だったのは、
積年の苦しみを告白するシーン。
奥様が電話をするシーンはOKとしても、
旦那さんの告白シーンからは積年の苦しみが
伝わってきませんでした。あの性格で、あの静けさは、
ちょっと違うかと。例えば椅子を蹴り上げるとか動きが
あったほうが、より伝わったと思います。また、笑い出す
シーンも、あの流れで行くのなら、泣き笑いをしたほうが、
積年の苦しみ、呪縛から解放された複雑な喜びが伝わります。
監督御自身も、インタビューにてその辺りの
演出不足は認めていらっしゃるようですが、
まさにその通りで、もうヒト突っ込み欲しかったです。
③全体観
『白夜行』+『火曜サスペンス劇場』÷2をし
『花のあすか組 neo』の役者さんが演じてみました。
そんな感じです(わかりにくいなぁ(苦笑))
トリックは、
明かされる前に、ほぼわかってしまいます。
予告編で感じた不気味さは、まるでありませんでした。
★彡 ★彡
胡桃農家の話。
あれも本当の話なのかな?
単館だからイイですけど、
メジャー作でフィクションだったりしたら、
実際の胡桃農家にとっては営業妨害ですよ(苦笑)
あと、
エンドロール後にも
作品は続きますから、
途中で席を立たぬよう、御注意下さい。
現代と過去から、
それぞれ振り返る
着想と手法は見事でしたが、
演出でこけてしまいました。
モントリオール世界映画祭、
正式出品したんですよねぇ。
出品基準がよくわからなくなりました(苦笑)
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