「運命の人」(500)日のサマー なつさんの映画レビュー(感想・評価)
運命の人
サマーがめちゃくちゃ可愛い!
服装も仕草も笑顔も。
そして、音楽や建造物などとても美しく見惚れてしまう。
トムは恋愛初心者。
夢見がちで運命の人を信じている。
サマーに一目惚れ。エレベーターに2人きりになっただけですっかり恋に落ちる。
一方でサマーはリアリスト。
両親の離婚を受け止め髪を切っても何も感じられないくらいに愛という物に冷めている様子。女の子が綺麗な髪を切るなんて本当は重大事件。この演出だけでサマーの人格形成が伺える。
500日を行ったり来たり。
シャッフルされる事で、彼女の独り立ちし自由で何も求めない様な行動がクローズされ、トムの踊らされる一喜一憂がはっきりしてくる。
サマーと愛を育んだ朝は噴水が高く上がり街ゆく人々とダンスをかまし、青い鳥がやってくる。
トムの心は有頂天。
次の瞬間、冷た目をしたサマーがいたり、手を繋いだり、喧嘩をしたり。
結婚はしない、親友になろう。サマーはとことん束縛を拒む。しかし誘惑するような態度も取る。
そんなサマーに振り回され情緒が安定しなくなる彼はとても滑稽。
だが、トムは彼女が運命だと思い込んでいるので諦めきれない。そこで慰めるレイチェルがおませで可愛かった。
少年の頃から「卒業」を観て運命に思いを馳せていたトム
トムと一緒に観た「卒業」で涙を流すサマー
サマーのパーティに行く階段を登る途中、期待と現実が全くリンクせず、左指の指輪見た瞬間、完全に現実となり立ち去るトム。目に映る全ての風景はサラサラと灰色に変わっていく。
思い出の場所でトムと話をするサマー。
本当の愛なんて無いと思っていた彼女の元にも「運命」がやってきた。たまたま、ここで出会った人、あと数分遅れていたら会えなかったであろうその人。それが「運命」の人だとサマーは語る。
「運命」を信じ込んでいたトムはもう何も言えない。
500日の日、思い出の場所のベンチでトムの手に重ねるサマー。それは「運命」を教えてくれたトムへ、500日でトムへの気持ちと運命の人のへの気持ちの違いを気付かせてくれた想いなのだと思う。
そして別れる2人。
「運命」なんてあるの?
しかし、次の「運命」は始まるのかもしれない。
「オータム」ここはかなりキュンとした。
恋に不得手な2人の喧嘩をしたり抱き合ったりはしゃいだりと様々な日々を重ねてそれぞれの本当の愛に気づいていく、子供の恋の様な物語。
そして、映画のような「運命」は恋に限らずいろいろな場面であるのでは?とかなりときめく、心に残る作品。
サマーの腕に美しい建造物を描くトムの場面が好き。
シドとナンシーのトークは面白かった。