劇場公開日 2010年4月3日

  • 予告編を見る

「『家政婦のミタ』で長女役を演じていた忽那汐里。なかなかいい感じ」半分の月がのぼる空 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0『家政婦のミタ』で長女役を演じていた忽那汐里。なかなかいい感じ

2018年12月3日
PCから投稿

 夏目医師(大泉)と裕一・里香の接点はどこにあるんだ?と不思議な思いで見ていくと、そのうち忘れてしまいそうになる。何しろ里香(忽那)が転院を繰り返していたと言う点や、夏目の妻が亡くなったのは6年前という点で、どうしても編集ミスだろ!と脚本が穴だらけなんじゃないかと疑ってかかったからだ。入院中に病院を飛び出して向かいの小山に登ったり、文化祭の演劇にヒロインが失踪したため突如王女様を演じることになったエピソードなど、ノスタルジックな雰囲気につつまれている。これはgood

 夏目先生は心臓外科医から内科に転向していた。彼を頼ってくる患者に対してもそっけない態度で手術を拒んでしまう。そして、直接女の子に話しかけて断ろうとしたときに謎が解ける。裕一が夏目先生だったのね・・・’94年という設定がいまいちわからなかったのも、こうしたプロットのギミックがあったんだな。

 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の台詞などは上手く物語に取り入れてあるし、時系列のトリックも気づかれないような工夫があって良かった。なのに、難病モノにしては泣き所をうまく外してあるのが高評価につながらなかった点。看護婦・濱田マリで泣けというのか?!

kossy