「細かいけどマズいミスが目立ち、ゲゲゲッ!と感じてしまった」ゲゲゲの女房 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
細かいけどマズいミスが目立ち、ゲゲゲッ!と感じてしまった
「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家・水木しげるの妻・布枝が、極貧時代からの夫婦愛のエピソードを記したエッセイの映画化。
NHKの連続テレビ小説でも映像化されており、もはや国民的物語となった感がある。
NHKのドラマでは松下奈緒&向井理の旬なカップリングで温かな人情ドラマとして描いて大好評を博した(未見だけど)。
映画版では吹石一恵&宮藤官九郎の異色のカップリングで淡々とした語り口で描かれている。
NHKドラマ版のファンの方はあまりの違いさには度肝を抜かれるだろうが、似たような雰囲気だと二番煎じと言われる為(最も、ブームの最中に立て続けに映像化され、二番煎じと言われても仕方ないと思うが)、これはこれで正解。
クドカンの水木しげるはイケメンの向井理よりしっくりくるし、地味な映画版はNHKドラマ版より史実に似通ってるだろう。
ただ、映画版には致命的なミスが。
昭和の香りが全く感じられない。
セット撮影は別として、ロケーションが、その辺で撮影しました感丸出しなのである。
特に、超高層ビルが映るシーンは変…というより、明らかにマズいでしょう。
しかも、その次のシーンで昭和風のボロボロの服を着た人が映り、一体何時代なの?と思わせる。
また、所々唐突に妖怪が登場するのも“?”。
妖怪漫画の大御所の伝記なので、妖怪を登場させて独特の演出(センス?)を狙ったのか分からないが、どういう意図なのかずっと違和感を感じた。
細かい点かもしれないが、こういう細かい点をしっかりやってこそ映画は成り立つので、その点を疎かにした本作の点数は敢えて低く。
(プラスになるか分からないが、エンディングの歌はユニークで良かった)
今度、NHKドラマ版と見比べてみようかな?(DVD出てたっけ?)