「淡々と進んでいって」ゲゲゲの女房 grassryuさんの映画レビュー(感想・評価)
淡々と進んでいって
時としてザッピングのような風情を醸し出しながらもやはり単純な順列で進行し、本当に淡々と淡々と流れていきます。
この淡々とした進行によって、次にどうなるんだろうかというワクワクどきどき感がいや増し、とても味わいのいい映画に仕上がりました。
このボードで指摘されているような映り込みもほとんど意識できなかったし(画面がセピアなので鈍感な僕には気がつかなかったのでしょうか)、吹石一恵の抑えていながら、それでいて時に貧乏に反発する強さ、貧乏から逃れたいすがりたいと心から希求しながらも故郷との圧倒的な距離の前に崩れてしまう弱さ、これらすべてが即物的・物理的な欲求であるため、とてもリアリティに溢れ、印象的でした。好演だったと思います。
宮藤官九郎いつもながらの怪演、かゆいところに痛いぐらいに手が届いてます、やはり名監督は名優なのだなぁと思いました。
オブジェのような妖怪も、エンドロール前のダンスも、北野武監督を意識したでしょうか、軽いアクセントになっていて、とても効果的だったと思います。
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