「「温めておきました・・どうぞ」「おじゃまします」」ちゃんと伝える shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「温めておきました・・どうぞ」「おじゃまします」
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映画「ちゃんと伝える」(園子温監督)から。
主人公と父親が、同じ時期にガンを宣告され、
タイトルのように「ちゃんと伝える」ことの大切さは伝わった。
物語としては、主人公の想定外の行動や、
キーワードとなっている「セミの抜け殻」が意味するもの、
なかなか理解が難しい作品だった気がする。
しかしながら、私が選んだフレーズは、
父親役の「奥田瑛二」さんと、母親役の「高橋恵子」さんが
死ぬ直前に、病室で交わした夫婦ならではの会話。
いつもいつも、ベッドの横で夫を見守る妻に、
なぜか、ガンで横たわっている夫が、突然
「たまには隣にいろよ。一緒に寝ようよ」と切り出し
「温めておきました・・どうぞ」と布団をめくり、妻を誘った。
そんな夫の気持ちを察してか、病院にも関わらず、
狭い病院のベッドに添い寝し、2人で幸せそうな顔をする。
「おじゃまします。・・久しぶりだわね」と呟いた妻。
きっと、布団の下では、手を握り合っていたに違いない。
夫婦って関係、2人以外にはわからないことも多いはず。
主役の若い2人には申し訳ないが、
「好きだよ」「愛してる」より、気持ちが通じていることを
このシーン、この会話は教えてくれた気がする。
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