劇場公開日 2009年11月21日

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「『キサラギ』の監督!?(泣)」ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 77さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0『キサラギ』の監督!?(泣)

2011年12月18日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

ラストの特別出演は蛇足だったけどw『キサラギ』は私が邦画も捨てたもんじゃないと思い改めさせられて、よく観るようになったきっかけでもある本当に大好きな作品(まだの方は是非!)で、
今回も惹かれないタイトルや心配なキャストというハードルを一瞬にして無くしくれたのは“あの佐藤監督作品”という魅力があってこそ。

ある意味観てみてこんなに「観なきゃよかったー(泣)」と思ったのは初めてかもしれません。もちろん内容も内容なんですがそれより…。。一応点数は“『キサラギ』の監督さん”という先入観なしでつけました。
私が佐藤監督を買い被ってただけなのかもしれないけど、いっそ買い被り続けたかったwあんなに光ってたセンスが感じられないんだもの。基本的に寒いのが大ショック。

コミカルと感動のさじ加減がすっごくつまらない。笑わせようとしてるところも感動のシーンもスベってるまま終わっちゃった感じ。特に笑えて笑えて最後には考えさせられる、みたいなコメディ色に期待してたのでがっくり。

せっかくタイトルにまでしたのに掲示板という特徴も活かせてなくて(エンドロールは面白かった)、こんなテイストならむしろ蛇足なくらいでした。元ネタは知らないんですが多分そのスレを見てる方が面白いんだろうなと感じました。
おまけに脚本も安易というか出来すぎというか。(マ男(この呼称がまたクドくてサムい)の頑張りは尊敬しますが)化けそうな題材なのに勿体ない。
映画なんだからそれでいいんだけど実話を売りにしてるならリアリティは欲しかったです。下世話ながら2ちゃんねるの書き込みから制作サイドの演出なんじゃないかと勘繰っちゃう。

上で“心配なキャスト”と書いたのは小池さんと品川さんのことなんですが、残念ながら予感が的中してしまいました。
小池さんは演技はいいんだけど(熱演には株が上がりました)この主人公の設定には綺麗すぎる気がするし、「バーカ!」のリーダーは芸人の品川さんじゃ逆に笑えない。
お二人だけじゃなくなんか全体的に「仕事だから演技してます!」という空気が拭えてない感じがしました。上手いし頑張ってるのにノッてないとでも言いましょうか。
例えば田辺さん。元々『11人』の最終回も面白かったということで田辺さんというキーワードからこの作品にたどり着いたのですが、良心である藤田さんもなんとなく“無理”を感じるというか。
これはキャラクター設定と『11人』を観た後だからというのもあるかもしれないけどw、全くの気のせいではないはず。(唯一笑わせてくれたのが田辺さんの孔明でもあるんですけどねw)
作り手がノリきれてない物にはこちらもノれない。

とは言うものの、かなり頑張れるマ男が限界を感じた出来事ってなんなんだろう?と先が気になったし主人公の希望かつ根本的なブラックな部分が垣間見える終わり方(特別出演は蛇足だったけどw)には働く、お金を稼ぐ(戴く)ということについて考えさせられました。
雇う、雇われる。買う、売る。ギブアンドテイクで、ひとつひとつの“コマ”があるから成り立つんですよね。誰の代わりもいくらでもいるしそうじゃなきゃ社会が回らないけど、“意味”を見いだすには、
せっかく何かの縁で一緒に働けることになったんだから“働いてやってる”でも“働かせてやってる”でもなく“一緒に働かせてもらってる”と思える環境作りを一人一人がすることが大切だなと改めて思いました。
この映画ではそういう事は言ってないけど一日の大半を過ごすのに給料(生活すること)だけが目的なんて勿体ない!とも改めて思いました。

でもやっぱりそういうのでフォローできないくらい観たくなかった…w

77