ソラニン : インタビュー
宮崎あおい、桐谷健太、近藤洋一…それぞれの挑戦と「ソラニン」への思い
■「夢を持たなくちゃいけないなんてことはない」(近藤)
――登場人物たちは「自分は何をすればいいのか?」という悩みや、大切なものを失った喪失感を抱いていて、それが作品のテーマにもなってます。彼らと同じような悩みを感じたことは? そういうときにどのように乗り越えていきますか?
近藤:「いまになって思うんですけど、夢を持たなきゃいけないとか、そういうことはないと思うんです。夢は別になくてもいい。絶望を歌っているくせに彼女と楽しそうに下北でデートしてる人とかいますし(笑)。夢を持たないことがいけないことだと、悩んでほしくはないですね。まずは、そういうことに気づけることが重要なんじゃないかなと思います」
桐谷:「僕も大阪から出てきて、オーディションも全然受からないし、仕事もないし……なんもなくてつらい時期はありました。でも、向き合うしかないんですよ。あとはどうやって毒素を抜くかです。僕にとっては、それは散歩であったり、旅に出るとかであったり。いまでもモヤモヤしたときは旅に出ますよ」
宮崎:「私はいままで、あまり仕事に関して悩むことはなかったんです。お芝居も楽しかったし、そんなに難しいと思うこともあまりなくて。やりたいこともあったし、すごく幸せなことに、それができる環境にいられた。だから悩むことがなかったんですけど、いま24歳になって、自分のできることとできないことが少しずつ見えてきました。やりたいこととやりたくないことも明確になって。そうすると逆に何をしたらいいのか分からなくなってしまったり、何に向かっていったらいいのか、そこに向かうためにどこを通過したらいいのか、違う道を通ったらいいのかといったことをすごく考えるようになったんです。だから、芽衣子ちゃんの気持ちがすごくよく分かります。演じているときは悩むということが分からなかったんですけど、いまはすごく分かりますね」
――それはこの映画で芽衣子を演じたからということがあるんでしょか?
宮崎:「たまたま……というわけではないですけど、タイミングが一緒になったのかなという感じですね」
――では、いまもし芽衣子を演じるとしたら、違ったと思いますか?
宮崎:「違うと思います。それを知っているのといないのとでは違うと思うし、演じているときは芽衣子を自分勝手な女の子だとは思っていなかったんですけど、できあがった映画を見たら、なんて自分勝手な女の子なんだろうと思ったので。そう思いながら演じるのと、考えずに演じるのはまた違うと思います。どちらがいいかは分からないですけど」
■「抜け出したい、いまに満足できない…そういう人に見てほしい」(桐谷)
――撮影していて、あるいは完成した映画を見て、もっとも印象的なところは?
宮崎:「ライブシーンが楽しかったんです、本当に」
桐谷:「楽しかったね」
宮崎:「だから、そのライブシーンを見ていただければ伝わるものがあると思うし、最後の最後ですけど、一番見てほしいところです」
近藤:「映画館はライブハウスより素晴らしい音響システムがあるから、迫力があるライブシーンになっているはず。ぜひ映画館で見てほしいですね」
桐谷:「あと、『ソラニン』って“毒”って意味ですけど、それを持っていることがいけないとは思ってほしくないし、持っている人に見てほしい。もちろん、持っていたことのある人にも。抜け出したいとか、いまに満足できないとか、そういう人に見てもらえたらいいなと思います」
桐谷健太 スタイリスト:岡井雄介/ヘアメイク:SHUTARO(vitamins)
近藤洋一 スタイリスト:松野下直大/メイク:河合なおみ(Moana)
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