「それくらいの覚悟は持てよ」ゴールデンスランバー(2010) shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
それくらいの覚悟は持てよ
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映画「ゴールデンスランバー」(中村義洋監督)から。
主人公、青柳雅春は、大きな影の力で、
首相殺害の犯人にしたてられ、どんどん追い込まれていく。
人間は「こいつが犯人」というイメージを前提に、
情報を植え付けられると、何もかもそれに結びついて考える。
マスコミは、火に油を注ぐように、追い討ちをかけ、
何の根拠もないまま、面白可笑しく報道し、
視聴者が受けることならなんでもする、といった形が優先され、
そのターゲットとなった人物の人権などは、無視される。
それに怒ったか、脚本家(もしかしたら原作者・伊坂幸太郎さん)は、
主人公の父を通して、こんな台詞を口にさせる。
「お前らのやっている仕事は、
人の人生を台無しにするかもしれねぇんだ。
それくらいの覚悟は持てよ」・・
マスコミに対して、吐き捨てるように言い放ったシーン、
久しぶりに、スッとすることができた。
これは、映画や小説の中のことだけではない、
日頃のマスコミの騒ぎ方をみるたびに、思うことでもある。
マスコミは、報道の自由を御旗に付けて、
何でも訊く権利があると勘違いしていないだろうか。
NZ地震被害で足を切断した学生に
「今、どんな気持ちですか?」と尋ねるのと同じだ。
「辛かったね、本当に良く頑張った、ゆっくり休んで下さい」
どうして、これくらいのことが、言えないのだろうか。
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