「不思議な魅力のある作品」上島ジェーン k.moriさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な魅力のある作品
海外の映画のように乾いたタッチで始まる、上島竜兵と有吉弘行出演のドキュメンタリーとストーリーが融合した作品。
非常に真面目なリアルの部分と二人の演じるストーリーが完全に溶け合って、どこまでが本当でどこまでが冗談なのか分からないような感じに仕上がっている。
千葉の志田という、サーファーに人気の海岸でのロケなのだが、主要な出演者に現地のサーファーも参加しているが、現地サーファー役の女性は全てタレントである。しかし、誰が本物の現地の人か、俳優なのか分からないくらいみごとに溶け合って、あたかも全てが本当の話であるかのような雰囲気を上手く作り出している。
海が荒れていてサーフィンができない日に、出演者全員でゴルフ場でゴルフを楽しむシーンがあるのだが、他の出演者は普通のシーンを演じているが、上島と有吉のやりとりが、完全に馬鹿馬鹿しいにも関わらず、シーン全体と違和感なく溶け合って進行していくのが非常に珍妙で面白く、良く出来ていると感じた。
その他、バーベキューでみんなで騒ぐシーンとかもろもろ、リアリティーと馬鹿馬鹿しさを伴ったおかしさとが、乾いたタッチで上手く溶け合いながら進行していく作り方が、他の作品にはあまりない、不思議な後味の良さを醸し出している。
風呂場で二人が語り合うシーンも良かった。
最後のシーンでは、自分でも驚いたのだが、ホロリとしてしまった。上島竜兵のようなキャラの人物だからホロリとするんだろうなあと感じてしまうようなラストシーン。
何とも不思議な味わい、後味のある作品であった。
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