さまよう刃(2009)のレビュー・感想・評価
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切ない
死ぬ気だったのかー空包て!
親としたら分かる。愛する我が子殺されたらするかもと思う!未成年に対しての罰をもっときびしくしてもいいと思うが!!甘するギル日本は。恨みは恨み生むだけてのも分かるんだよな〜難しい問題
未成年者の犯罪をどう考えるか?
親一人子一人の家庭が未成年者によって破壊される。
娘を凌辱し殺害した犯人(VTRまで撮っている)を復讐の為に父親が追いかける。
「この国の警察は市民を守っているのではなく法律を守っているのですか?」と言うメッセージがかなり重い。
仇の一人を殺害し、もう一人を狙う父親は全国指名手配になるが、ペンションの主人が奪われた振りをして猟銃を貸してくれる。
ペンションの娘は「そんな事をのぞんでないはず」と言うがペンションの主人は「娘を持った父親なら同じ気持ちが分かる」と敵討ちを擁護する。
私なら後者だ。絶対に許せない。
ラストは賛否あると思うが、仕方ない……と思う。
うーん…
これは原作勝ち。
少年犯罪の矛盾と正義の成就を問う大作だったと記憶してるのだが、そう言ったテーマは何処かに行き、ツラツラとストーリーだけを追っているので、迫力に欠ける。
しかも肝心のラストも変わってしまっとる…。
残酷な不条理への思いを上手く演じている
総合:80点
ストーリー: 65
キャスト: 85
演出: 85
ビジュアル: 70
音楽: 70
寺尾聰演じる長峰の自宅の留守番電話が警察に監視もされずに野放しになっている、携帯電話を持っていても電波の発信源の探知もない、長峰と犯人の少年の二人とも長野の山奥からあっさりと警察の包囲を破り関東方面に移動できる、そんな部分には物語の弱さがある。
最後の場面で長峰が言う「彼らに課す罰は死にも値する恐怖」、そういう割には既に最初の犯人は刺殺してしまっているわけで、その意味では矛盾が生じている。そして残る一人の犯人に一度恐怖を与えたとしても、長峰が死んでしまえば犯人はその後の生涯は、いつ殺されるかもしれないという恐怖に怯えながら生きることもなく余生を過ごすこともできる。娘を殺されあれだけ苦悩しながら犯人を追跡した後で彼が言う「死にも値する恐怖」とは、長峰が生き続けることによってその後もいつ復讐のために殺されるかもしれないというものを長い期間にわたって犯人に与えるのではなく、逮捕される前のほんの一瞬銃を突きつけることだけで良かったのだろうか。
銃をつきつけあっていて自分たちが銃撃戦に巻き込まれるかもしれないのに、野次馬が逃げもせずに輪になって見学しているのもおかしい。そのような疑問もいくつか物語にはあった。
それでも、最初から結論ありきで方向性を示すのではなく司法制度の不条理に関する問題提起をしたこと、たった一人の最愛の家族を極めて残忍な形で失った父親の悲しみと、それを見事に演じた寺尾聰の演技に共感出来た。だからその重い喪失感、悲しみ、怒りが理屈以上に伝わってきて、十分に堪能出来た。
原作の問題提起を台無しにしたエンディング
見る価値なし。原作を読めばいい。原作者がこんな映画化を許したのはなぜだろう?
特に終わり方が酷い。原作が社会問題として提起しようとした(少年による凶悪犯罪)被害者(家族)のやりどころの無さが、原作とは異なって偽善化されて、台無しになってしまった。原作どおりの終わり方は、倫理的に許されなかったのだろうか?
ならば、それ以前の暗く醜いものも見せつけなければいい。
(しばらく前に見たときの感想を思い出したので書き留めました。)
やはり
原作を読んでからみるとやはりこの作品の持つテーマの重み、主人公の葛藤などは2時間の映画というなかでは表現できないかなと思った。
本当にただの逃走劇みたいになっているがそれも違うなと。
難しい作品だったので、映画の限界を感じずにはいられなかった。
理解させるためには。
原作は読んでないが、何ともやるせない内容である。
鑑賞後、気持ちの持っていき場が見あたらない…。
妻を亡くし、最愛の一人娘をも失ってしまう主人公。
しかも相手は少年法に守られたケダモノ(という描き方)
犯人のアパートで娘の犯行ビデオを観てしまった父は、
あまりの残虐さにその場で吐いて腰を抜かしてしまう。
(このリアルな映像、こちらも生きた心地がしなかった)
彼らは更生する気などない。ならば自身で復讐するしか
方法はない、と半ば強制的に復讐劇が開始されていく。
私も一応、親なので…彼の置かれた状況に同調できる。
あんなモノを観れば、それこそ逆上するのは当然だ。
犯人を殺してやりたい!自分の子供と同じ思いを…と
法が罰さないのなら、自分の手で!と思うかもしれない。
そこまでの問題提起はいいと思った。
昨今では、こういった極悪少年犯罪が多すぎる。
私の子供の頃は殺人事件というのに必ず理由があった。
理由なき殺人って、なに!?誰でもよかった、だと??
他人を殺さなければならない理由が全く分からない。
しかし、こういう人種なのだから、極刑に処せばいい。
という考え方では、なんの解決にもなっていない。
今作でも少し描かれるが、命の重さを測れない人間に
「死にたくない」「死んだら悲しい」「どうか死なないで」
という恐怖や不安を理解させることこそが重要なのだ。
本来なら子供の頃~何らかの形で教わってきただろう
そのことについて、最近ではゲーム感覚で捉えている
冷めた若者たちが増えてしまった。どうしてなんだろう。
最愛のものを失ってからでないと、気付かないことか?
考えても考えても、胸にはやるせなさが残る。
今作の内容が云々より、有効な回答が提示されずに、
さまよえる作品になっていることが、いちばんの恐怖だ。
(生まれたその時から極悪人。なんて存在しないはず。)
寺尾聰の、
手紙が読まれるシーンがあるのですが、その声のトーンと間が何とも言えず、この映画はこの手紙の告白(簡単な説明ですみません・・・)のところを見るだけでいいぐらいです。
その部分がほんとに事件による様々な状況や思いの変化が伝わります。
映画のCMでも、少し流れたりしてましたが、その少しのとこを聞いただけで、もう泣きそうになります・・・
そして、原作を読んでないので知らなかったのですが、原作は詳細に残虐な部分が描かれているとのこと。そういう部分は観る側に任せる演出になっていたので、原作の衝撃を受けて見に行く人には、多少?かなと思いました。
私は、映画が先でしたので、これを機会に原作を読んでみたいと思います。
気分が重たくなる話だけど…
ストーリーや展開など、映画としてはイマイチというのが正直なところ。最初から重たい内容だし。
それでも、少年法について考えさせられる部分もあったりして、そういったものを提唱する手段としては成功なのかもしれないなと。
持論を導き出す上で都合の良すぎる展開が気に入らない。
静謐な映像と抑制の利いた演技。これらを取っ払った時、この映画には何が残るのか。
この映画に登場する若者は同情の余地も無い人間の屑か、救い難い阿呆だけ。伊東四朗と竹野内豊を除く刑事は皆、法律をプログラミングされたロボットだ。その行動には何の深みも意外性も無い。
全ては我々が新聞の三面記事を読んで10秒で想像するような薄っぺらく現実味の無いキャラクターの切り抜きだ。
本作で描かれる親の怒りや法律の理不尽さが虚構だとは言わない。
世の中にはもはや救いようの無い悪党が存在するという意見も否定はしない。
だがこの映画の中では、全ての要素が原作者または監督の訴えたい意見を都合良く導き出すための手駒にしか見えないのだ。
後半に登場する山荘の管理人親子の設定や、終盤になるに連れてブレまくる主役刑事の行動など、あまりの御都合主義に冷笑すら浮かんだ。
反論の余地を与えない、一方的な論理展開。
あざとい映画だ、と思う。
正直言って僕は好きになれない。
寺尾聡と伊東四朗の演技に1ランクプラス。
少年法
ストーリーはどうでも良いと思った。少年法に関して改めて考えるべきかなと感じた。
自分には被害者になった身内も知り合いもいないので、なんとも言えないが人間の人格を無視してただの肉の固まりと考えている『未成年』には、極刑を与えるべきでは無い。命の尊さを教育し施設に『自殺室』をもうけ追い込むのがベターかも。最低のことをしていて少年法の傘下でぬくぬくしているのは断じて許せない。人の手によって死刑(少年法では無いが)にされるのは生ぬるい。自らの反省として『自殺』して欲しい。ずるがしこいガキどもが闊歩する世の中は間違ってる。人格なんて無いに等しい。
自分が今住んでいるのは、東京で比較的少年犯罪が多いところ。ドラム缶コンクリート詰め、少女拉致殺人が起こったところ。
親は気がついているはずなのに分からなかったと言う。犯罪の責任を親に向ける気持ちは毛頭無い。裕福であろうが貧しいであろうが、犯罪には関係ない。裁判では温情をもとめるけれど、やる奴はどんな教育をしてもやる。それは神が与えた宿命なのだ。神はそんな犯罪者を作り、ね!だめでしょう。犯罪は止めましょうねといっているのだ。一種の人身御供だ!だから『自殺室』に入って天にのぼり『善人』として生まれ変わるのだ。
ちょっと危ないね、この話。
設定と脚本が大失敗 それに携帯電話じゃ
携帯電話というツールを使っていることが、すべての矛盾につながる。
寺尾聡演じる犯人は携帯電話を逃走先で何度も使用しているのに、殺害される可能性がある少年も潜伏先で何度も携帯電話を使用しているのに、竹之内豊演ずる刑事が寺尾聡に携帯から携帯に電話をしているのに、その履歴が一切チェックされないで話が進行することはシラケテしまう。
携帯から発信される電波をチェックすることも、交信履歴も、通話履歴も、すべてチェック可能だということは、先日の薬物使用で逃走した芸能人の報道で多くの人が知っている。
レイプした相棒が殺害されたことを、潜伏している少年の携帯に連絡する人間は皆無なの?
これがすべて矛盾であり、シラケてしまった。
演出にも疑問がある。
伊東四朗が目立ち過ぎている。
勘違いしないでほしいのだが、僕は伊東四朗が大好きだ。
演技に存在感があり過ぎてしまっているのが気になる。
伊東四朗なら、もっと違う演技ができたはずだ。
かつて、名優の伴淳三郎が人気を勝ち取りはじめ、自信が演技に顕れていた時のことだ。
老いさらばえた刑事の役に不向きと感じた監督は、普通に演じているだけで、なんら問題のない伴をボロクソに罵り倒し、自信を喪失させ、演出を成功させて見事に伴もその作品で受賞に結びついたという例がある。
今回の伊東は演技が上手いし、そつがないし、普通に見ていたら「やっぱ上手い」で終わるだろう。
だけど、それでよかったのだろうか。
主役になるはずの寺尾すら食ってしまうような演技だったことは逆に問題ではないのか。
そんな環境でありながら存在感を示した竹之内の演技は良かった。
これからも大きく期待したい。
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