「勿体ない。」コレクター よしさんの映画レビュー(感想・評価)
勿体ない。
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娼婦に間違われて誘拐されてしまった娘を救おうと、連続誘拐犯を追う刑事の物語。
サイコサスペンスにカテゴリーされる映画ですね。
子供を作る目的で娼婦を誘拐する犯人。子供を産めない女性を殺し、解体していきます。
犯人の異常性、それに対する囚われた少女の恐怖、そして主人公の焦燥等は良く描かれているように感じます。
「デブの黒人」を当て馬にした犯人捜しの展開も良く、クライマックス迄は中々楽しめた作品でした。
ただ、クライマックスのどんでん返しは頂けません。「女性刑事が犯人と通じていた」と言う設定は驚きはしましたが、「驚かせたい」意図が見え透いていて興ざめの方を強く感じます。
もう少し伏線を強く張っていてくれたら、納得感もあったかもしれませんが・・・
そもそも、設定に無理があり過ぎです。この犯人は「産めない」女性を殺しているのに、産めなかった女性が生き残り・・・しかも、監禁されずに刑事になっている。
流石に無理です。繋がりません。
女性刑事の裏切りを描くのなら、女性刑事を主犯のような位置づけにした方が無理がないように感じます。そして、女性刑事の「子供に対する執着心」「子供に対する動機」を明示していたらどうでしょう。例えば、過去に子供を強引に中絶させられ、しかも子供を二度と産めない身体になってしまった・・・とか。
これなら、伏線も張り易くなりますし、どんでん返しも鮮烈なものに映るように感じます。
ラストも余韻を残したかったのでしょうが、「余韻ありき」で無理をしている印象に戸惑いを覚えます。
少し頑張る方向が間違った印象の、勿体ない作品でした。
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