「3Dはやめておいた方が良い」タイタンの戦い わたぼうさんの映画レビュー(感想・評価)
3Dはやめておいた方が良い
今、ハリウッドで最も旬の俳優サム・ワーシントンを主役に据えた話題作「タイタンの戦い」は、誰でも楽しめるが、誰も傑作と思えない中途半端な作品となってしまった。
個性的なキャラクターや、特別派手ではないが堅実に魅せてくれるアクションは、確かに楽しませてくれる。超常的な派手さはないが、ある意味カンフーアクションのような、納得のできる戦闘は必見だ。
しかししかし、全体的なスケールが小さすぎるので、妙に地味な仕上がりで、衝撃度が低い。
ギリシャ神話の解釈云々などではなく、話の大きさが感じられないので、小綺麗に纏まっていて感想を言うのに苦労する。
同じギリシャ神話もので「パーシージャクソンとオリンポスの神々」という映画が最近あったが、アレと比較しても今作は観客を引き込む力に欠けていた。
「パーシー」も「タイタン」も、神様は好き放題したうえに、飼い犬にちょっと手を噛まれたからぶち殺そうと考える。だけど、息子のひたむきな姿を見て考え直し、扱いにくいハデスだけを倒して大団円、という作りは共通している。
メデューサがついでに倒されるところも同じだ。
実はメデューサには双子の姉が2人いて、メデューサは末妹。ゴルゴン3姉妹と呼ばれていたことはあまり知られていない。
それと、本作は3D上映が主だったが、あれは何の意味もないので通常の2D上映で見ることをオススメする。
3D特有の飛び出してくる感覚は皆無。3Dメガネを外してもぶれるのは字幕の文字だけで、他に違和感は感じない。
取って付けたような3Dではなく、2Dの方が料金も安く、迫力も十分。
2D上映館は少ないかもしれないが、なんとか探してなるべく2Dで見てほしい。
サム・ワーシントンは何度も人類の危機を救っているが、興行・評価的には「アバター」以外はあまり成功していない。
新進気鋭のアクション俳優の次回作に期待する。