「古代のジェームズ・ボンドといったところか」タイタンの戦い マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
古代のジェームズ・ボンドといったところか
1981年にハリーハウゼンが製作した名作を、次期ジェームズ・ボンドの呼び声も高いサム・ワーシントンを主演に据えてリメイク。旧作は「スター・ウォーズ」より4年も後の作品ながら独特のレトロ感があった。対して、今作は最新のVFXをふんだんに使い、しかも3Dだ。課題は旧作の筋書きの踏襲加減とオリジナルなアイデアの盛り込み方だ。
冒頭、旧作で印象的なアイテム、金属のフクロウ“ブーボー”が早速出てきてペルセウスが目にとめるが、老兵が「それは置いてけ」と言う。これは旧作との決別を意味するものだ。たしかに戦いのアドバイスをしてくれる爺さんも出てこない。代わりに、守護役イオが登場する。しかも若い女性だ。これからの展開にも期待を持つ。
だが、なんとかオリジナリティを出そうと小技、大技を繰り出すものの、巨大サソリ、魔女の三婆、黄泉の渡し舟、メドゥーサ、クラーケンと続くプロットは代え難く、映像はダイナミックになったものの、二番煎じの感は否めない。つい先頃「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」で同じ題材をヒントにした現代劇を観たばかりで、運悪く割を食った格好にもなった。
だからといって、決してつまらなかったわけではない。これはこれで面白かったし、3Dも楽しかった。おそらく、旧作を知らない人はじゅうぶん楽しめる作品に違いない。
気に入ったのはラスト。ここは旧作と違うし、気が利いている。このラストに★半分献上だ。白くないペガサスはサム・ワーシントンに似合っていた。
旧作では、王女アンドロメダが可憐だったが、今作ではなかなかの美人。守護役の女性も絡めて、ある意味、今回は古代のジェームズ・ボンドといったところか。
p.s.1 アメリカって、美女が鎖やロープに繋がれるの好きだよなー。代表作=キングコング!
p.s.2 公式HPが重た過ぎ。どれだけの人が快適に見られるのだろう?