「バカ笑いできる傑作コメディ」ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
バカ笑いできる傑作コメディ
大爆笑しました。バカバカしくて最高です。
しかしただただ馬鹿やってるだけじゃなくて細かな伏線が張り巡らされたりしていて、丹念に練り上げられた脚本があってこそ、突飛な展開でも違和感を感じることなく楽しめたのだと思います。
本作の名前はあちこちで聞きますね。「コメディ映画の傑作だ」という文脈で耳にする機会もありますが、最近ではDCコミックスの人気ヴィランの誕生譚を描いた大傑作にして問題作『ジョーカー』と同じ監督作品として名前が挙がる機会が多い気がします。
本作の監督であるトッド・フィリップスはコメディ監督として非常に有名でしたが、コメディとは対極の映画ともいえる暗くてシリアスな『ジョーカー』を製作したことで、多くの映画ファンが度肝を抜かれ、話題に挙がる機会が多かったように感じます。
私は『ジョーカー』が公開された2019年から本格的に映画鑑賞を始めた人間ですので、実は彼の作品で一番最初に鑑賞したのは『ジョーカー』でした。そのため私は他の映画ファンとは逆方向からトッド・フィリップス監督の作品を鑑賞する形になり、「あんな陰鬱な映画を撮った監督が、以前はこんなバカらしいコメディを撮っていたのか」という逆の驚きを感じましたね。
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結婚式を間近に控えたダグ(ジャスティン・バーサ)は、悪友2人と新婦の弟と4人で、独身最後のバカ騒ぎをしていた。酷い二日酔いで目を覚ますと、新郎のダグの姿はどこにもなく、代わりに部屋には虎と赤ちゃんがいた。酒のせいで昨夜の記憶が全く無い彼らは、おぼろげな記憶を辿りながら、消えたダグの行方を追うことになった。
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勝手なイメージですが、3大アメリカ人がバカ騒ぎをする日と言えば「プロム・高校卒業前夜・結婚式前夜」な気がします。プロムと卒業前夜は若さ溢れるバカ騒ぎですが、結婚前夜のオッサンのバカ騒ぎです。良い歳したオッサンが無邪気にはしゃいでいるのを見ると、社会的立場や老いのようなものから解放されているような気がして、私も思わず笑ってしまうので好きです。
「結婚直前の男が独身最後のバカ騒ぎをする」というのは洋画を見ていると時々見かけますね。結婚前日に何やってんだと思う気持ちもあるけど、「結婚したらなかなか遊べないから独身最後の夜に思いっきりハメ外そう」という気持ちも正直分かります。
そしてハメ外し過ぎた結果にとんでもないことになるのが、本作『ハング・オーバー』です。
結婚式直前に新郎が行方不明。そしてホテルの部屋には何故か巨大な虎と小さな赤ちゃん。悪友ステュは歯が一本無くなってる。二日酔いで前日の記憶がない彼らは何が何だか分からない状態で、昨晩の自分たちの行動を振り返っていく。
全体的におバカなコメディ要素の多い作品ではありますが、ところどころに伏線が散りばめられていたり社会風刺的な一面もあったりして、単なる「おバカコメディ」とはちょっと違いますね。
笑いあり伏線回収ありの内容で、普段コメディ映画をあまり観ない方にもオススメできる作品かと思います。