「面倒くさい親父」みんな元気(2009) プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
面倒くさい親父
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妻に先立たれたロバートデニーロは、一人で暮らしていた。
帰省する4人の子供達とのバーベキューを楽しみにしていたが、
まさかの全員キャンセルで1人ぼっちになってしまった。
そこでサプライズのつもりで自分から都会へ出て、子供たちの所を回る。
子供たちは突然の訪問に驚いた。みんな父に言えない秘密を持っていた。
と言っても、実は家庭内不和だったとか、実はレズでしたとか、
実はオーケストラの指揮者ではなく太鼓担当とか、大したことのない秘密。
でも3人共通で、どうしても隠し通したい秘密を持っていた。
それは末っ子が直前に薬物中毒で死んだらしいということ。
詳細が明らかになるまでは、父には伏せておくことにしていた。
皆が不自然な感じになっているのをデニーロは感じていた。
そんな中、不良少年を助けたらソイツが最低な奴で、薬を踏み潰された。
薬が切れると命が危ないので、早く帰るため生まれて初めて飛行機に乗った。
医者から止められていたのを無視して乗ったので、発作が起きた。
気がつけば病院で、子供3人に囲まれていた。
もう隠し事はええから話せや、ってことで、末っ子の死を知る。
思えばその末っ子は最も出来が悪く、心配のあまり特に厳しく接して来た。
そもそも厳格すぎて、子供全員が自分に心を開いていなかったが、
特に末っ子は自分の顔色ばかり伺う弱い人間になっていたのかも知れない。
末っ子が夢に現れて言う。親父のせいじゃないよ。
この一言に救われる。何か1つ前に見たNOELと同じ感じやな。
最後は翌年、今度はみんなちゃんと帰省して来て家族で過ごせた。
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あんまり厳格過ぎて子供に自分の考えを押し付けちゃ駄目だよって映画。
映画の中の現在ではデニーロは爺なんで、人が良さそう。
でも回顧シーンを見ると、相当な押し付け親父やったっぽい。
厳格なワンマン親父はハリウッド映画でよく見るパターンなんで、
アメリカにはきっとこういう空気を読めん親父が多いのだろう。
デニーロの演技は相変わらず良かったけど、
でも彼の役をはじめ誰とも共感することができなかったなあ。