劇場公開日 2009年8月29日

「私が愛せるホラーではない」マーターズ(2007) りらさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5私が愛せるホラーではない

2023年7月29日
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ネガティヴとはいえ感情をかなり揺さぶられる、という意味では、力作ではあるのかもしれない。観ていて痛みを感じそうなほどの暴力、流血描写も群を抜いている。
ただ、私はダメだこれ…ホラーはかなり観ているし、バッドエンド、厭系映画も好きだしそこそこ観ていると思うけど、本作はダメ。
救いがない、と思われる中にもどこか,誰かに共感できるとか、トラウマ級に嫌な話だけど何か考えさせられるポイントがあったとか。何か「この映画観て良かった」と思いたいんだわ。
本作はそれがまったく無い。少女を含め若い女性を拉致監禁し酷い目に遭わせる輩の動機が意味不明(説明はなされるが理解し難い。ラストに至って、富裕層の老人らが集う場面でようやくそれなりに推測できたが、動機と行為のバランスが不均衡にも程があるので納得行かなすぎる)とにかく醜いエゴと選民意識が根底にあるのは伝わるけど、だから何なのか。こんな残酷描写をしてまで何を表したかったのか。むかむかするだけ。残酷だから、グロいから受け入れられないわけじゃないです。『屋敷女完全版』や『哭悲』もちゃんと観られたし、共感ポイントあったし。でも本作はね…
エグさではさすがフランス映画。でもこの独りよがりっぷりがどうにもフランス映画。
韓国映画観て、口直ししようかな。

りら