劇場公開日 2009年8月29日

「何を感じても罪悪感に叩き落とされる」マーターズ(2007) Kさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5何を感じても罪悪感に叩き落とされる

Kさん
2022年1月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

痛みで目を背けるほど残忍でグロテスクで、人の所業とは思えないほど狂気に満ちているのに心が温まってしまうという物凄い作品。前半のスピード感と中盤での転換、静謐ともいえる終盤に至るストーリーの緩急が素晴らしい。後半は時計の針のような規則正しい冗長さの演出に管理者の日常風景まで垣間見せて、そこで繰り広げられている残虐の極みを不意に忘れてしまいそうになるのがあまりにも罪深い。観ている人の感性を破壊し何を感じても罪悪感に叩き落とされるような真の問題作だと思う。

K