「オチを大切に練り上げる、手作りの良さ」オカルト カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)
オチを大切に練り上げる、手作りの良さ
三年前にある通り魔殺人が起こった。
白石監督はその事件の軌跡を追おうと、
ドキュメントの製作に取り掛かる。
その事件の被害者で、唯一の生き残りである江野と知り合い
徐々にその事件の深みに嵌って行く。
江野は事件の後から、色々なお告げが聞こえ始め、
通り魔から託された次の行動を取ろうとしていたのだ。
そして実は白石の記録に残そうとするその行為も
お告げに関係していたのだ。
こんな風にドキュメント風にこの映画は進行していくのだ。
とこまで本気で、
どこからシャレなのか混沌とさせたまま、
少しづつ、少しづつ、映画はクライマックス
へ登りつめて行く。
実はこの映画にはクライマックスなど来ず、
どこかで肩透かしを喰らわせるのだろうと思っていたのだが、
本当にクライマックスへもって行った。
そして最後の最後に、落として見せた。
人間って奴は、
目の前で自分の身に本当に怪奇現象が起こってしまったら、
きっと盲目的に何でも信じてしまうのだろうと、
妙に感心しながら観ていた。
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