「時間も話も、フラフラ。ちょっと判りにくいです。」デュプリシティ スパイは、スパイに嘘をつく 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
時間も話も、フラフラ。ちょっと判りにくいです。
家庭用品メーカ間の熾烈な“情報戦”を描いた映画。“情報戦”と書きましたが、ジュリア・ロバーツが演じるクレアはCIA出身、クライヴ・オーウェンが演じるレイはMI6出身と、実際にはスパイ合戦と言うほうが正しいですね。
MI6のエージェントがプレイボーイと言うのは、007以来の伝統なのでしょうか? この作品でもその素晴らしき(?)伝統は継承されていて、レイは結構なプレイボーイ振りを披露します。って言うか、クライヴ・オーウェンのきちんとしたスーツ姿って、あんまり見ない気がするんですが、気のせいでしょうか?
他方ジュリア・ロバーツ。彼女って、私的には結構コミカルな印象を持っているんですが、今回はそうではありません。結構セクシーな演技をしたりしています。
TVシリーズ『24』の様に、時折画面・・・って言うかスクリーン上の映像は分割される編集がされています。しかしそれは、『24』の様に同時進行の他のシーンを描くという演出ではなく、結構頻繁に現在と過去を行き来するような編集・ストーリーになっていて、時間帯を過去に遡ると言うのに使うという使い方をしています。ですが、その過去のシーンでも、ついさっきまで現在で話していたようなセリフのシーンだったりして、時間が一瞬、現在なのか過去なのか、わからなくなるような印象を持ってしまいました。これって、脚本家が意図した効果じゃないと思うんですが、どうなんでしょう?
見る前までは、クレアとレイが、互いに騙し騙されと言う話なのかと思っていましたが、全然違いました。最後は書きませんが、かなりの大どんでん返し。いやぁ、やられましたね。って言うか、映画的には、そう言う話の方が面白いですね。しかしながら、ストーリー&時間の動き(過去と現代を行ったり来たり)が複雑なので、話が少し判りにくいです。今のこの話の内容はウソなのかホントウなのかとか、これは今の話なのか過去の話なのかとか、話の流れ・時間の流れはもう少し整理したほうが良いと思いました。
いずれにしても、意外にコミカルな内容は結構面白いです。ただ、もう少し、シリアスな内容の方が、私は良かったかなぁ・・・。