劇場公開日 2009年7月4日

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「SFと思いきや、カーアクションがメインの作品でした。姉弟の宇宙人らしさがいいですね。」ウィッチマウンテン 地図から消された山 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0SFと思いきや、カーアクションがメインの作品でした。姉弟の宇宙人らしさがいいですね。

2009年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 禁断のエリアの謎を解く作品かと思いきや、『逃亡者』のような追いつ追われつというハードなアクション作品でした。

 追われる者は、地球人の少年少女に変装したサラとセスの姉弟。追っ手は、姉弟を捕獲して、異星人の秘密を解剖しようとする合衆国政府の特殊機関と彼らの母星の軍部が放った刺客のサイボーグ。姉弟の母星は、存続の危機にあり、地球の適正についてふたりは調査にきていたのでした。もしふたりが無事に帰還しなければ、地球人は危険分子と判定され、侵略されることなっていたのです。
 ただ母星の軍部は強硬派で、姉弟の活動を妨害するばかりか、ふたりの抹殺まではかったのです。
 そのため姉弟の乗ってきた宇宙船は、たしか強奪されて地球へ不時着。宇宙船は合衆国政府が秘密裏に収納し、極秘の基地を作り管理していたのでした。

 姉弟は、宇宙船を取り戻すべく、合衆国政府によって地図から消されたウィッチマウンテンを目指します。特殊機関がふたりの捕獲を手ぐすね引いて待ち受けているのにです。
 そんな無謀な宇宙人姉弟を助けるのが、タクシードライバーのジャック。彼はただのドライバーでなく、一時はプロのレーサーを目指したほどの腕前。でもマフィアのボスの運転手を務めたのが運の尽きで、足を洗ってからも、執拗にボスの運転を強要されていたのでした。
 そんなジャックが一見家出風の姉弟を客として拾ったことから、姉弟を巡る大捕物に巻き込まれてしまいました。

 ジャックのタクシーと追っ手のマフィアかと思いきや実は政府の特殊機関との激しいカーチェイスは、アクション映画かと思うくらいの激しさでした。何とか彼らの追及をかわしたものの、宇宙船の起動装置を回収したところで出会ってしまう刺客のサイボーグから追われてしまいます。全身が兵器のようなサイボーグからは、逃げの一手。
 ジャックの卓越した運転で振り切ったかと思いきや、今度は空から追いかけてきます。 唯一安全な場所はトンネルでヤレヤレと思いきや、向こうから貨物列車が走ってくるではありませんか!この絶体絶命のピンチをどう切り抜けるのかが最大の見せ場でしたね。
 まぁ何で姉弟が自分たちの乗ってきた宇宙船の奪還のためにこんなに苦労しなくちゃいかんのか、イマイチ納得していない小地蔵なので、どなたかストーリーを補完してください。

 アクション映画顔負けのど派手なアクションに加えて、ユーモアもたっぷり効かせています。UFOを信じようしないジャックに姉弟が超能力を使って、驚かせたり、そんなジャックが真剣にUFOの存在を警察に説明しようとするところが滑稽でした。
 また、以前客として乗せて馬鹿にしたUFO研究家のフリードマン博士に対して、ジャックの態度の変わりようも見物です。何せ本物の宇宙人姉弟を従えて、博士に地図から消されたウィッチマウンテンのありかを聞き出しにきたのですから当然ですね。
 このときベガスで開催されていた宇宙博覧会に参加している参加者のUFOオタク度の凄まじいのです。博士すらなじられるほどオタッキーな連中でした。

 けれども、ラストのエンディングロールでは、ジャックとフリードマン博士のコンビは、UFOオタクたちに神のように崇められる権威となっています。
 さて、姉弟たちは無事に鉄壁の要塞のような秘密基地から宇宙船を奪還できるのか。ジャックとフリードマン博士の間にどんな変化があり、オタクたちに神となるのか、ぜひぜひスクリーンで確認ください。
 姉弟の演技が、無機質なところもあって、宇宙人らしさがよく出ていたと思います。

流山の小地蔵