96時間のレビュー・感想・評価
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ジャンル映画の作り方を変えた傑作
昨今の、ちょっと病的なオヤジが悪漢を蹴散らす痛快アクション映画の流行りは、ここから生まれたと言っても過言ではありません。
粗製濫造とは言いませんし、出来の良い作品も多々ありますが、各製作会社がこうした「狼よさらば」シリーズのような古風な作品でも企画にGO出ししやすい流れを作ってくれたことは、大変喜ばしいことです。
本作は公開当時はただの“よく出来たアクション映画”という範囲での評価でしたが、今振り返れば本作がジャンル映画全体の作り方に大きな影響を与えた作品であるのは間違いないでしょう。それだけ面白かった!
ではなぜ本作は面白く出来上がったのか。
この作品はそれまでと違い、尺数が短く、展開が早いのが特徴です。たとえば、普通であれば冒頭につかみと呼ばれるアクションシーケンスがあり、鍵や脅威となる存在の示唆だったりその後の展開を観客に予感させる映画全体のミニチュアのような大切な部分なのですが、それが本作にはまるっと無い。敵や主人公の素性は物語の中で分かっていく形になります。
そうした定型化された脚本展開を省略し、各所構成の展開を前倒しさせています。
それに、この企画にリーアム・ニーソンというキャストをツモれたことも大きかったかと思います。
オスカー俳優でありながら、アマチュアボクサーとしての経歴を持ち、若い頃はアクション映画に主演もしていた彼はまさに適役。その演技と卓越したアクションで説得力をこの作品にもたらしてくれました。
リーアム・ニーソンの演技力や、監督の演出力で、シナリオ上で省略された部分を補い、映画の厚みを担保しているわけですね。
思えば、アクション映画の流れは本作の7年前に大きく変わっていました。
2001年9月11日以降、アメリカのエンターテイメントは一度死にました。誰でも気軽に楽しめるはずのアクションやサスペンスは一気に身近で生々しいものになったからです。
多くの企画が延期、整理され、淘汰されました。そんな中アクション映画の先鋒を切ったのは、公開延期されていた『ボーン・アイデンティティ』でした。
“ボーン”シリーズは、アクションからケレン味を排除し、2作目以降のポール・グリーングラス監督のドキュメンタリーのような演出が話に迫真性を醸し出すことで、暗澹たる気持ちだった当時の観客に合わせてチューニングされ、これが見事に刺さりました。
以降は“ボーン”シリーズがアクション映画のお手本として、様々なフォロワーを生むことになります。
実は本作も“ボーン”フォロワーの一作でした。カーチェイスや格闘シーンの撮影と編集の手法は非常似通っています。『96時間2』のカーチェイスシーンの曲など『ボーン・スプレマシー』のそれとそっくりです(もっとも“ボーン”の方はゴーモービルを使って撮影しているので臨場感という意味ではそちらに軍配が上がりますが)。
『96時間』はそうした“ボーン”からの流れで生ましたが、この作品もまた前述したように分水嶺となりました。
“ボーン”シリーズは撮影や演出の面での流行りを作りましたが、『96時間』はシナリオの作りから変えたと言えます。
本作が無ければ『イコライザー』シリーズも『ジョン・ウィック』シリーズも無かったでしょう。
(『イコライザー』はかなり『デンジャラス・ラン』が下敷きになっている企画ですが、これは“ボーン”の作り手が参加したものなので、“ボーン”直系の企画とも言えますが)
そのシナリオテンポアップの影響は、アクション映画のみならず、ホラーやサスペンスなど各ジャンルにも波及しました。多くの作品において展開が前倒しにされ、お約束が省かれ、中にはジャンルにおける脱構築の域にまで達したものもありました。
以上のように、公開当時、観客の求めるスピード感を初めて提示した本作の意義はとても大きかったのではないでしょうか。
この構成は今のスタンダードとなっています。
※勿論、シナリオ構成の割愛やスピードアップについては諸説あります。『アンストッパブル』など実話ベースの作品もありました。
悪に容赦なし。完全燃焼の痛快娯楽
ナメたらいかん、このオヤジ!
"96時間" シリーズ第1作。
"金曜ロードSHOW!" で鑑賞(地上波初放送)。
「ナメてたおっさんが実は鬼強くてヤバいヤツだった」系ジャンルを認識させてくれた作品。リーアム・ニーソンが遅咲きのアクション俳優として覚醒した記念すべき作品でもある!
娘命の父親の、過保護な愛情が娘の危難に凄まじい力を発揮し、娘を誘拐した悪の組織を地獄の果てまで追い詰める。元工作員のスキルをフル活用して暴れ回る姿が痛快でした。
パパが最強系アクション映画の金字塔
ラストは夢を追う若者と、それを後押しするパパの背中で終わる最高の映画
エンディングの入りもジャンジャカギターとか掻き鳴らすうっさい入りだけはやめてくれよ、段々盛り上がってく感じでお願いと思っていたら、厳かなピアノのイントロが聴こえてきて、いやナイス👍分かってるー!と興奮してしまった
「お前を見つけると言った筈だぞ」
「信じるよ、だが容赦はしない」
敵「やめてくれ、これはビジネスでやってるんだ個人的にじゃない」→「俺は個人的にやってる」
あのさぁ、カッコいい画角でカッコいいセリフをキメまくるのやめてくれないかなぁ。歌舞伎の見栄にも近いくらい、カッコいいてのはこんなんだろって直球で観客に投げてきてそれが刺さりまくる
何よりもテンポが良いよね、全部飽きさせないしドンドンスムーズに展開していく脚本はどれだけ練り込まれてるのかと驚嘆する。アクションが好きなら見て絶対損はない激オススメ映画
無敵のおっさん
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元CIAのおっさんの娘がパリへ旅行する事になった。
悪の世界を熟知するおっさんはやたらと心配性で到着した娘に電話する。
するとその電話中に娘は人身売買の連中に誘拐される。
おっさんはすぐにパリに飛び、優れた捜索能力で人身売買組織を追い詰め、
神がかりとも言える格闘の強さでついに娘を助け出す。
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まあ正直内容は無いよう(古っ)
「組織で訓練を受け」て人智を越えた力を身につけている主人公が、
圧倒的な能力で最終目的を達するというだけの話。
その意味シュールな内容なんやが、北斗の拳を見るような感覚で、
それはそれで爽快な部分もあり、気分悪くはならなかった。
それにしてもこの主人公の容赦の無さはすごい。
敵を拷問の末に口を割らせてすぐ殺すし、ってか悪い奴は基本殺すし、
昔の同僚の妻(いい人)の腕を撃ったり、一般人をボコって車を奪ったり、
娘の命と引き換えにどれだけの人を傷つけたのかって感じ(場)
なのに無罪でアメリカに帰って来るってがあり得ない(場)
まあこのテの映画にそんなツッコミを入れるだけ野暮なんやが。
それにしてもこの映画、2008年の作品やってんな。
最近は20世紀と違って「悪い奴は殺して良い」という風潮がないから、
逆にとても新鮮に感じられたわ(場)
アメリカは予想以上に「家族のためなら何をしても良い」風潮なんやね。
あ、それから娘の友人の頭のブッ飛んだ奴、
コイツは悪の組織に殺されるなってすぐにわかったわ。
そして案の定、誘拐されたシーンの次は死体での登場となった(場)
スピード感ある作りで、ドキドキしながら楽しめます。
リーソンの作品で一番好きかも
リーアムニーソンを確立したような作品
舞妓さんが性接待を強要された‥との内部告発を思い出した
公開時、映画館で見た以来、ディズニープラスに追加されていたので見てみた。
公開時は「親父強すぎ!」と思ったが、今見ると全然違う。
それは舞妓さんが「性接待を強要された」との内部告発のニュースだ。
本作で娘はオークションで金持ちに売却されるが、ギリギリで父親に救出される。
あれ、これって、舞妓(未成年)さんの「水揚げ」(上客に処女を売る)と何が違うんだ?
映画のデブ金持ちは「上客」だし、
映画でオークション主催者は「置屋の女将」だろう。
「そんな風習は随分昔に無くなり、現代ではあり得ない」
「現代では水揚げに限らず、未成年に酒を飲ませたり、性的サービスをすることもない」
と堂々と否定して欲しかったが、煮えきらない回答のみ。
「今もやってます」と白状したも同然。
映画は「裏社会」の話だが、
日本の舞妓さんは「表社会」の話。
今回見た感想は「日本やべぇな」ということ。
「悪いコト(性的サービスの強要)」を、
「それは悪いコト」と批判することすらできないなんて…
パパを怒らせたら怖い
哀愁。怒涛。
束縛激しい父親
テッドでこの映画のリーアム・ニーソンが出てきたことで知った。
やっと見れた。
娘からの電話で「お前はいずれ捕まる。その一瞬で男の特徴を言え」的なところ怖かった。
ほかのアクション映画より、確実に殺しにかかってる。容赦なくてちょっと笑っちゃう。
軽く見れる。続きの2つも見ようかな。
主人公の設定が本作の成功のポイントでしょう
面白い!問答無用の痛快アクション映画です!
ボーンシリーズに感じが似てます
2007年8月アメリカ公開のボーン・アルティメイタムの半年後の2008年2月フランス公開です
カメラワーク、アクションの展開、カースタント
音楽まで似ています
ボーンシリーズ好きならオススメです
主演のリーアム・ニーソンと同じ年齢と仮定したら、主人公は56歳
日本だと会社で働かないおじさんになってしまっている年齢設定ですね
かっては秘密情報部の敏腕現場工作員
狭い業界で持ちつ持たれつやってきた昔馴染みのフランスの現場工作員のジャン=クロードは今では管理職のかなり偉いさん
でも主人公は管理職には全く向いてなさそうです
現場仕事は抜群なんだけど、年も食ったし、上級管理職の試験には通りそうもないし、そもそもそんな柄じゃないのは自分が一番良く知っている
仕事し過ぎで離婚されて、娘の誕生日にも会えないのでとうとうブチ切れて職場放棄したものだからアラスカに飛ばされてしまい、ここらあたりが潮時と秘密情報部を辞めたおじさんという設定です
辞めたものの、結局娘にもなかなかあえないし、金持ちと再婚した元妻からは邪険に扱われるのは可哀想過ぎです
そもそも何の為に頑張ってきたのか
国を守ることが家族を守ることだと信じて、夜も昼も身を粉にして働いてきたのに
男やもめの一人暮らし
悠々自適とはいうもののなんかとっても虚しそう
でもそんなおじさんでも、実は愛する娘の為ならものスゴく頑張っちゃうんです
というのが本作の内容
この辺が世界中の冴えないおじさんのハートをギュッと掴んでしまうポイントでしょう
自分もハートを鷲掴みにされました
この主人公の設定が本作の成功のポイントでしょう
元秘密情報部員じゃないけれど、
こんなおじさん、世界中に山ほどいるんでしょうねえ
団塊の世代、海外ならベビーブーマー
本作は彼らがリタイアしようとしている頃の公開だったのです
タイムリーな作品といえるでしょう
あとパリの暗黒面のリアリティが半端ありません
ビビります
エプスタインなんてこと本当にあるんですから
とにかくスカッとします!
アクション娯楽映画はこうでなくちゃ!という見本です
タイトルが時間ものの有名どころで思いだすのはこんなところ
24、2001年放映
36時間、1965年公開
48時間、1982年公開
72時間、2008年公開
96時間、2008年公開(本作)
でも本作の原題はtaken で時間では無かったのでした
「連れ去り」ぐらいの意味でしょうか
愛娘のためにボコボコにする父さん
24を思い出した。
何も知らない旧友の奥さんを撃つ非情さはなんとなくジャックバウアーと被った。
ノー天気な娘のせいでトラブルに巻き込まれるところも24と似ているように感じた。
でも面白かった。
「恨みしかない」と言う言葉は子供を持つ身としてはこれ以上なく共感できる。ここからラストまで殺しまくる様はスカッとしました。
96時間という制約がもっと具体的なリミットであったらもっと引き込まれたような気がする!
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