「暴走親父超特急。」96時間 いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)
暴走親父超特急。
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“娘を助けるためなら、エッフェル塔をも壊してみせる”
というセリフが象徴するように、
フランスで誘拐された娘を助け出すために、
元工作員である主人公の親父は
カーチェイスに銃撃戦にマーシャルアーツと、
ガンガンやりたい放題で、突き進んで行く。
その親父をリーアム・ニーソンが演じ、
“ボーン・シリーズ”のマット・デイモンと同じ様にどうなの?
と思っておりましたが、同じ様に期待以上のアクションを披露し、
必死で走る姿には親父を感じてしまうが、渋くて、冷静で、
そして、熱くなって暴走していく親バカ全開ぶりを魅せ付けてくれる。
“24”のジャック・バウアーと同じで娘の名前はキムであり、
ジョージ・メイソンを演じたザンダー・バークレーも出演し、
配給は20世紀フォックスでありますし“24”を多分に意識して、
宣伝に利用しようとつけられた96時間という邦題は
確かにその時間を越えるとバッド・エンドということみたいですが、
カウントダウンされていくわけではありません。
暴走振りはキーファー・サザーランドが演じていたら、
自身のスキルを発揮して、コネを使って、
手段を選ばずに突き進み、拷問もするし、
いやその人は撃たなくてもいいでしょうという人まで撃つし、
“24”の映画版としてそのまま通用するでしょう。
意味ありげなシーンもかっ飛ばし、
それで辿り着くのはおかしいだろうと思っても、
そんなのお構いなしにすっ飛ばし、とにかく“セルラー”並に、
テンポよく進んでいく様は、頭空っぽにして楽しめます。
リュック・ベッソンの制作・脚本で
もちろんヨーロッパ・コープ製作であり、
ハリウッド大作と比べると派手さはないし、
カーチェイスも迫力はそれなりにあるが、
公道で豪快に派手な映像があるわけではなかったりして、
リュック・ベッソンは節約が上手いなと思ったり、
ジェリー・ブラッカイマー作品なら、
車のまま突っ込んじゃうだろうなというシーンも、
冷静に行動しちゃうあたりは
“ボーン・シリーズ”よりであるかもしれないが、
あんなに親父は熱くなってるのになと思ったりもしましたけど、
リーアム・ニーソンだからこその説得力はあったでしょうか。
母親役のファムケ・ヤンセンだったら親父以上に簡単に助け出せるだろう
と思っちゃうのは“X-MEN”の影響ですな。
娘キム役は“LOST”に出演していたマギー・グレイスと分かったものの、
ホリー・ヴァランスは何かで観たけど思い出せず、
結局終わるまで思い出せずに、帰りにチャリを漕ぎながら、
“プリズン・ブレイク”だ、と思い出し、鑑賞後以上にスッキリする。
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