劇場公開日 1984年5月19日

「【”どん底にいるより、一夜の王になりたい。”誇大妄想狂のコメディアン志望の男と、人気コメディアンの熱狂的ファンが惹き起こした事を描くブラックコメディホラー。ロバート・デ・ニーロの怪演が物凄い作品。】」キング・オブ・コメディ(1983) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”どん底にいるより、一夜の王になりたい。”誇大妄想狂のコメディアン志望の男と、人気コメディアンの熱狂的ファンが惹き起こした事を描くブラックコメディホラー。ロバート・デ・ニーロの怪演が物凄い作品。】

2024年12月10日
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■コメディアン志望のパプキン(ロバート・デ・ニーロ)は、人気コメディアン、ジェリー・ラングフォード(ジェリー・ルイス)の大ファンで、執拗に彼に自分のネタを売り込むが相手にされない。
 同じくラングフォードの熱狂的なファンであるマーシャ(サンドラ・バーンハード)と知り合ったパプキンは、2人でラングフォードを誘拐し、交換条件で、パプキンがテレビショーに出演しようとする。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・中盤までのパプキンの異様なまでのジュリーに対し、自分を打ち込もうとする姿は、コメディと言うよりホラーに近い。
 序に言えば、マーシャも同様である。
 二人とも、完全に常軌を逸しているからである。
 そして、ジェリー・ラングフォードを演じる喜劇俳優であるジェリー・ルイスの苦り切った顔が真実味があるのである。

・二人が、ジェリーを誘拐して椅子にテープでぐるぐる巻きにして縛り付け、マーシャが彼を見張る中、パプキンが意気揚々とTV番組に乗り込んで行く姿も、デニーロ・スマイルが炸裂していて、怖い。

■だが、パプキンがTVで披露した小咄の数々が、結構面白くて、凄いなロバート・デ・ニーロと感心してしまったモノである。

<当然、パプキンは逮捕されるのだが、彼が刑務所に入っている間に書いた自伝がベストセラーになり、早期釈放された彼は”キング・オブ・コメディ”として大歓声の中、ステージに立つのである。
 今作は、実にブラックであると思った狂気性漂う、シニカルコメディである。>

NOBU