「才能と運と。」キング・オブ・コメディ(1983) Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
才能と運と。
見ていて居た堪れなくなり、録画だったもので何度も停止ボタンを押してしまった。
「ジョーカー」がこの作品の影響を受けている、って確かにまんまその通り。
実家暮らしの三十代、コメディアンを夢見ており、人気コメディアン・ジェリーに妄執する男。惚れた女にも一方通行、ジェリーにも一方通行、それでも自分が正しいと信じて疑わない。その行動は常軌を逸しており、かなりの歪みを感じる。
ただその常識はずれの行動で手にした一生に一度のチャンス、ジェリーの人気番組を自身が背負う。公開収録の観客・TVの前に座る視聴者は、パプキンが何者か、何故ショーを担うことになったのか、知る由もなく。
そして、ラストはどうなるの?と思ったが、表題「キング・オブ・コメディ」の由縁が明らかに。
芸能の世界に、我々大衆はある種の刺激を求めて触れ、消費している。21世紀の今、大分浄化されてきてしまっているが、クリーンであることってそんなに刺激的ではないような気もする。
ちょっと話はズレるかもだが、松本人志さんが、対文春の訴訟を取り下げたのが昨日。今後日本の業界、オーディエンスは、どのように彼に接するのか、興味深くはある。本作のパプキンよろしく公衆の面前に留まり得るのか?そして、本人はそれを望むのか?
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