「この物語に派手な演出が必要か?」曲がれ!スプーン 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
この物語に派手な演出が必要か?
ベタ褒めのレビューが多い中、盛り下がるような事を書いて申し訳ない……。
他の方のレビューで初めて知ったが、元が戯曲と聞いて鑑賞後の消化不良感が一気に解消。『カフェ・ド・念力』で繰り広げられるドタバタは舞台劇そのもので、細かい笑いが利いてる。役者陣の掛け合いも良い感じだし、エスパー逹の能力も楽しい。
だが全体として……展開が……遅い……とにかく遅い。軸であるカフェ内での会話劇もテンポは悪いが、カフェ以外のパートはもう長澤まさみやその他出演者の魅力だけで持ってるようなもの。おまけにそれがカフェパートの流れをぶつ切りにするようなタイミングで挿入されるのだ。
加えて大袈裟すぎる演出の数々。派手なCGや仰々しい音楽で飾り付けるような物語じゃないだろ、これは。
美味い茶漬けの上に生クリームをゴテゴテ乗っけるようなもんだ。
映画だから派手な画を用意しないとと思ったのか、主演の存在感を出す為に場面を追加したのかは知らないが、舞台劇を映画に変換する過程で不要な物を加え過ぎ。
ラストの展開も、話の風呂敷を広げすぎた為に物凄くこじんまりした印象に。もっとシンプルに仕立てりゃ良かったのに、勿体無い。舞台で観てみたかった。
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