裏窓のレビュー・感想・評価
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主人公の目線は、観客のそれと絶妙に一致する
一言で表すと「裏窓から他人の暮らしを覗き見る」本作は、そう聞いただけでかなりアブノーマルで悪趣味な印象を受ける。が、何度か鑑賞していると、実はこれ、脚を怪我した主人公の目線は劇場観客のそれと完璧に一致し、向かい側に望むアパートはさながら劇場の舞台か、あるいは映画館のスクリーンのようにすら見えてくる。つまり、自分の気分や趣味嗜好に合わせて視点を自由に移動できる点も含めて、映画『裏窓』は、「映画鑑賞」という行為をメタ視点で見つめたような作品なのだ。
だが、いつまでも「こちら側」と「あちら側」と分離して守られているわけにはいかない。主人公はいつしか意を決して境界線を飛び出し、あちら側へとダイブ。客席から舞台やスクリーンへ飛び出していく(ような)常識破りの展開こそ、本作の最もダイナミックなところだと思うし、ヒッチコックの優れた発想力の賜物だ。世界をこれほどコンパクトにまとめあげた作品は他にない。
主人公が部屋から出ない!
本映画は作られてから70年経過していますが、現在でも面白く見られる傑作です。
同じころに日本で作られた映画にゴジラ一作目があります。
本映画の一番の見どころは「主人公が部屋から出ない」ということに尽きるでしょう。
本作を元にして現代的の映画を作ればいくらでも面白い作品は作れるでしょう。
古典にして新しい一本。
ブラインドを閉めるような終わり方もシャレが効いていて素敵です。
ストーリーに難があります
ヒッチの人気投票ではめまいと並んで常に上位にランクされる名作、というのが一般的な評価です。
確かに、住人毎のショートストーリーの絡め方、単一視点によるスリラーの圧倒的な醸成などヒッチのヒッチらしさが炸裂した傑作と言えます。
ただし、ストーリーに致命的な欠陥があります。要は本当に彼は犯人だったのか?というそもそもの疑問です。あんなことされたら犯人じゃなくたって逆上するんじゃない?中盤での刑事の捜査経過の説明は十分に説得力あったし、ってことです。
ヒッチは他の作品の説明で、何で逃げないの?何で警察に知らせないの?そんなの変じゃない?的な素朴な疑いを観客に持たせないように映像技術でたたみかけることが大事、と語っていますが、この作品もその好例です。
(参考)
ケリー先輩は波止場か裏窓かの選択を迫られてこっちを選んだそうです。
冒頭の主人公紹介のシーンは、セリフなしで登場人物のプロフィールを説明するモンタージュ理論の典型だそうです。
ヒッチは必要な時以外は説明的な俯瞰ショットは使用しない、今回は犬のシーン以外でアパートの全景は映さなかったそうです。
登場人物の属性を利用してスリラーを作るように心掛けている、今回はカメラマンの主人公なのでフラッシュや望遠レンズを重要な小道具として使用したそうです。
安定した面白さ
ヒッチコックの裏窓を久々に視聴。相変わらず、ヒッチコック映画に出演するのは美男美女。ジェームズ・スチュアートとグレイス・ケリーの二人を見ているだけで、ゴージャスな気持ちになる。ジェフがツンデレで、リザみたいな美女に言い寄られるから羨ましい身分だなって。裏窓から対面するアパートの住人を覗くっていったって、普通は、あんなに開けっぴろげでないから。それぞれの部屋の住人のストーリーが見えるようだから、更に覗きたくなる心理を上手く利用していた。
犯人は、状況証拠から限りなく黒ってわかっているけれど、肝心の主人公のジェフが身動きが取れないのが利いている。女性二人に花壇を掘り起こさせ、リザは相手の部屋に忍び込む。覗いているのがばれて、身動きを取れない状態で、相手をどう撃退するかのあたり、もっといい方法がなかったのかなとも思った。フラッシュ連発だと、目をつぶられたらおしまい。松葉づえとかナイフとか、トイレに籠るとかの方がと思いつつ、ハラハラして見た。
裏窓から見える一つの視点で、全編を撮影しているのが、卓越した脚本とカメラワークだなあと思った。また、テクニカラーも今とは異なる明るい発色が良い色調で、このような映画ではよい効果上げている。
主人公が動かないサスペンス
ヒッチコック劇場を観ていた世代です(もちろん、再放送ですよ)が、監督の名前″だけ″で客を呼べるって、すごくないですか?
・怪我をして自宅アパートで療養中の主人公、
・主人公とアンバランスなくらい可憐な彼女、
・主人公の友人である刑事
を軸に物語が進んでいく。
自由に動けない主人公は、暇にあかせて一日中ずっと双眼鏡で向かいのアパート住人たちを観察している。
主人公が動けない、というシチュエーションが鍵で、主人公が司令塔、彼女や友人が手足となって推理ゲームが展開される。
ラストは、主人公が「動けない」ことが伏線となってハラハラドキドキが訪れる。
ヒッチコック作品の中でも大好きな一本。
他のレビューにもあるが、グレース・ケリーの可憐さが好奇心旺盛で危なっかしいヒロインのキャラ設定と相性抜群で、後半部分まで来ると主人公はどうでもよくなるくらい(笑)
アメリカのテレビドラマでリメイクされたようだが、誰か邦画で製作してくれないかな?
こんな映画は二度と作れないでしょう‼️
この作品はズバリ "のぞき" の映画です‼️足を骨折して車椅子から動けないカメラマンのジェフが、向かいのアパートを眺めるうちに犯罪の匂いを嗅ぎ付け、ある男が病弱で寝たきりの妻を殺したらしいと推測する・・・この作品は数あるヒッチコック作品の中でも完璧に計算されつくした作品ですよね‼️まず主人公が覗き見するご近所さん達の人間模様‼️いつも誰かしらに言い寄られている若い女性ダンサー、ペットの犬に入れあげる初老の夫婦、売れない作曲家の苦吟、恋人のいない淋しさを2人分のディナーを作ることでまぎらわせるミス・ロンリーハート、窓を閉めっぱなしの新婚夫婦などなど。ジェフの視線の動きに沿ってカメラが動き、これらのドラマが一望できる‼️ヒッチコック監督の「アクション!!」の声で、演技をカメラの動きに合わせてスタートさせなければ撮る事が出来ないわけで、70年前の製作であることを考えるとホントにスゴいですよ‼️またジェフがカメラで覗く光景が映画のスクリーンに映る光景なわけで、ジェフと同じ光景を我々観客も見ているというのも、この作品の臨場感が素晴らしい所以だと思います‼️グレース・ケリー扮する恋人のリサが容疑者の家に忍び込んでいる間に当人が帰ってきて、ジェフがそれをカメラで見ていながら知らせられないシーン、犯人が身体の自由が利かないジェフを襲うシーンなど、鳥肌が立つ緊迫感ですよね‼️特に真っ暗な部屋にタバコの火だけがポツンと見え、犯人が目覚めていることを示すショットは、背筋に冷たいものが走ります‼️ジェームズ・スチュアートはビリー・ワイルダー監督の「翼よ!あれが巴里の灯だ」もそうですが、上半身だけの演技が上手すぎる‼️グレース・ケリーは、初登場の大写しのキスシーンにドキッとさせられ忘れられません‼️でもおじさんカメラマンに何故こんな美しい恋人がいるのか、腑に落ちん‼️そしてグレース・ケリーと並んで魅力的なのが看護婦ステラ役のセルマ・リッターで、この作品のユーモラスな味わいは彼女の貢献度が大きいですね‼️初見当時、高校一年生だった私にのぞきの楽しさとスリルを教えてくれた作品であり、人間の覗き見心理をうまく利用したサスペンスドラマであり、のぞきにはお仕置きがあるぞと誰もが思い知らされる傑作です‼️世の中のすべてののぞき魔、盗撮犯に見せなければなりません‼️
サイコーのエンディング
サイコーなのはエンディングですね(笑)。骨折した足のギブスが取れるまで残り1週間から始まるこの密室劇が、あんな風に終わるなんて(汗;)。スリラー巨匠のユーモアセンスにグッときました。部屋から一歩も出られないのだから普通なら退屈なだけなのに、覗き見でこんなにも色とりどりの世相をみて楽しめるとは!しかも、絶世の美女(グレース・ケリー)から猛烈なアプローチ!ジェームズ・スチュアートは大好きな俳優さんですが、羨ましい限りです。音楽もよかったのですが、なんだか古き良き時代の「あそび」を感じてしまいました。
ウイットに富んだ会話。ヒッチ・コックの演出・映像に満足する。
足を怪我したプロカメラマン。
動けない彼は望遠レンズで窓の外を見る。
映像も観客も部屋の中、彼と同じ状態で進んでゆく。
窓の外の様々な人の生活、風景、その世界。
そこにある喜びや悲しみ、そして憎しみ。
彼が「ミス・ロンリー」と呼んでいた女性がいる。
(ひとり暮らしの孤独な女性)
彼女のパフォーマンスは滑稽で悲劇的、
同時に心痛むものがあった。しかし、、、
動けない彼にはどうすることもできない。
そんな時、窓の向こうの出来事に疑念を抱く。
彼は部屋から一歩も出られない展開。
協力するのは彼のフィアンセ(グレース・ケリー)
彼らが見た窓の外の事件は、真実は、、、。
窓の外の距離のあった人物の接近にドキドキ!!
「なんという効果のある演出なんだ」と驚いた。
しかしグレース・ケリーは素敵すぎて反則に近い。
※
何度も観たこの映画、ヒッチ・コックという監督は
なんて巧みで面白い映画を作る人なんだ、と感心する。
※
【”裏窓から見えた風景、そして起こった疑念・・。”今までにない撮影技法と、設定が斬新な作品。リザを演じたグレイス・ケリーの美しさが際立つ作品でもある】
■事故で足を怪我したカメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュワート)は、車椅子に座ったままの退屈な毎日を送っていた。
ある日、望遠鏡で向かいの住人を眺めていた彼は、セールスマンの口うるさい妻が姿を消したことに気づく。
夫の動向を観察したジェフは殺人事件だと確信して…。
だが、恋人のリザ(グレイス・ケリー)はやり過ぎだと言うが・・。
◆感想
・作品着想が秀逸である。
眼が見える”安楽椅子探偵”のようなジェフの姿。
ー やや、個人情報侵害ではないかとも思ったが・・。-
・彼が推測した向かいのアパートに住む男の、妻殺しの過程が淡々と暴かれている過程が面白い。
・個人的な意見だが、リザを演じたグレイス・ケリーの美しさが際立つ作品である。
ー モナコ国王が求愛したのも納得である。あのような気品ある女優さんって、今いるのかな・・。”あ、居た!クリスティン・スチュワートだ!”ー
<面白き、安楽椅子覗き見探偵の、一品である。倫理的にはどうかなあ・・、と思ったけれど、ジェフの直感は当たっていたんだね!>
骨折で家での療養中の退屈を、 自宅から見える近所の方々の生活を覗き...
骨折で家での療養中の退屈を、
自宅から見える近所の方々の生活を覗き見しながら、
殺人事件を解決していく。
コミカルな要素も入れつつ、
覗きという背徳感もありながら、
他人の生活にどんどん入り込んでいく主人公と、
恋人と、看護師?さんの姿面白かった。
覗きという行為はいけない行為だが、
覗いてみたいという人間心理わかる気がします f(^ ^;)
過去には舞台化したこともあるみたいだね、
舞台も見てみたい。
グレース・ケリー
ジェームズ・ステュアートとおばちゃん出てたのは覚えてたけど、こんな美女出てた⁈って思うぐらいグレース・ケリーが美しい。
内容もうろ覚えで久々に鑑賞。
やっぱりヒッチコック作品は良い。オープニング曲からワクワクさせてくれる。
これぞヒッチコック
ヒッチコック監督、最高傑作。足を骨折したカメラマンが暇潰しにご近所さんを覗き見る設定が面白い。そしてなんといってもグレイス・ケリーの美しさよ…。立ち振舞いが凛としていて色気を感じる。設定に対しストーリーが平凡なのと、導入部が長いのがやや残念
興奮!
今まで観たヒッチコック作品の中で一番心踊った!ワンシチュエーション、主人公はその場から動けなくて部屋の外で起きていることは遠方から定点で見せるだけ、という制限の多さが演劇的だったのだと思う。すごくハラハラしたし、本筋に関係ない住民たちにもいろいろ想いを馳せたし、良作!
ベストオブベスト級の名画
言うまでもなくベストオブベスト級の名画。
21世紀に観てもキラキラ輝いているスペシャルな映画。
劇中、舞台転換が無い(ラストを除く)。主人公は自室に座りっぱなしで、窓から見える隣人たちの様子と、部屋を訪れる数名の登場人物との会話のみで物語が進行していく。
脚本の巧みさか、グレース・ケリーの美しさか、最小限の舞台装置に詰め込まれたエッセンスが不思議な力をみなぎらせ、最後まで引き込まれてしまう。人の表情と会話だけでこれだけ緊迫し、安堵させ、物語をうねらせる力はただ事ではない。ヒッチコック恐るべし。これほど濃密な映画も珍しい。
とにかくグレース・ケリーの麗しさは必見。
ハラハラ、ドキドキ、ちょいクスリ。
一言「なぜ見てなかったの、私!」。
ちらっと見た気でいたんです。
『動けない主人公が、相向かいの部屋の窓を覗いていたら、殺人事件を目撃』。
少し合ってるけど、だいぶん違ってたという・・・。
◎よかった点◎
・主人公は骨折してギプス姿=動けない。
場面も覗いている向かいの部屋たちと、自室のみ。
1セットとシンプルなので、内容にのめり込みやすい。
・最初は眺めていただけが、段々双眼鏡→望遠レンズ。
「やめとけよ」と思いつつも、気になるんだよねえ。
途中から恋人・通いの看護師おばちゃんも加わるのが、これ人間の性なり。
・「近所ってなんなの?!」と泣き叫ぶ向かいの婦人。
1954年作品ですが、今にも結構通じる話。
△いまいちな点△
・なし
グレース・ケリーのちょっと艶めかしい美しさも目を見張ったし。
時々クスッとする場面を挟みつつ、最後までドキドキの約2時間でした。
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