「覗き見た殺人…動けない主人公に迫る恐怖」裏窓 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
覗き見た殺人…動けない主人公に迫る恐怖
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DVDで鑑賞(吹替)。
足を骨折したカメラマンの何気無い退屈しのぎがとんでもない事態へと発展していく様を描いた、名匠アルフレッド・ヒッチコック監督による傑作サスペンス・スリラー。
ふと窓の外を見て偶然隣家の窓が目に入ると、故意に見ようと思っていなくても隣人の生活光景をなんとなく見てしまったと云う経験は、誰しも記憶にあるのではないだろうか。
「隣の芝生は青い」と云うことわざもある通り、近所に住む人の生活は何故か気になってしまうもの。意識しているつもりは無くても、不思議と知りたくなるのが人情だと思う。
そんな人間の心理を巧みにストーリーに反映していてとても面白い。向かいの部屋で殺人は行われたのか。限られた視点だけで想像を掻き立てる手法が巧妙で引き込まれた。
主人公の好奇心が周りに伝染して探偵ごっこが始まり、後へ引き返せなくなってしまう。その好奇心は画面のこちら側にも伝染り、怪しい男の一挙一動が気になって仕方なくなる。
主人公の動けない設定が絶体絶命のラストを盛り上げ、近所を覗き見する理由づけだけでなかったことが明らかになる。
対岸の出来事が眼前の危機に変貌して炸裂したスリルに手に汗握り、ハラハラ。監督の術中に嵌る快感に酔い痴れた。
[以降の鑑賞記録]
2023/05/04:Ultra HD Blu-ray(字幕)
2025/02/16:Blu-ray(吹替)
※修正(2025/02/16)
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