劇場公開日 2009年12月26日

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釣りバカ日誌20 ファイナル : インタビュー

2009年12月25日更新

西田敏行 インタビュー
ハマちゃんが振り返る、長くて短い22年の「釣りバカ」回想記

スーさんが我が家に来ることもなくなるのか…
スーさんが我が家に来ることもなくなるのか…

■男というのは「合体」が好きなんだ

そして「釣りバカ」にとって、ハマちゃんの妻である「みち子さん」の存在は必要不可欠だ。「釣りバカ日誌スペシャル」(94)まで出演した“初代”を石田えりが演じ、その後を浅田美代子が引き継ぐ形でファイナルまで到達。「合体」「不合体」のシーンが、多くのファンの妄想をかき立てたことは想像するに難くない。「2人の共通点としては、芝居に対して真面目であること。余計なことをしないようにするタイプの女優さんで、与えられたセリフをどう咀嚼(そしゃく)して演じるかということに一生懸命苦慮されていたなあ」と懐かしんだ。

15年前までの“伴侶”だった石田を、「持って生まれたフェロモン、女性としての色気を体から発散していましたね。だから、初期のハマちゃんは非常に合体しやすかった。合体に臨みやすかった。早く合体したいという気持ちがあって、すごく頑張れた(笑)」とうっとりしてみせた。

“二代目”として石田よりも長くハマちゃんを献身的に支えてきた浅田については、「最初の撮影で『ごめんね』って謝るんですよ。『何が?』と聞いたら『私、色気がないから』っておっしゃるんです。その言い方に愛おしさを感じて、『それにはそれなりの合体があるぞ』みたいな気持ちになってね。どちらにしても、男というのは合体が好きなんだな……ということが2人の奥さんを相手にしてみて分かりました」と話し、豪快に笑った。

2人の素晴らしい奥さんに支えられた
2人の素晴らしい奥さんに支えられた

■谷啓さんが命を吹き込んだ営業3課

また、ハマちゃんが勤務する鈴木建設営業3課には、常に突発的な笑いが同居していた。その中で、釣りのために何かと口実を作っては仕事をサボろうとする“釣りバカ”を、厳しくも温かく見守ったのが佐々木次長(当初は課長)に扮した谷啓の存在だ。

釣りバカ日誌18/ハマちゃんスーさん瀬戸の約束」までレギュラー出演を果たしていたが、今回はクライマックスで登場する。

「あのシーンは役とか関係なく、先輩・谷啓さんをお迎えするひとりの後輩・西田敏行として、本当にうれしかった。ふっと姿が見えたときは『うわっ、来てくださったんだ』と思って感無量でした。たまらなかったなあ」と述懐。さらに、「谷さんなくして営業3課は存在しなかった。ウソがばれたときに暴いていく谷さんとのやり取りっていうのは、その場面だけ全作並べても面白い作品になるんじゃないかな」とニッコリと笑った。

北海道での釣りは格別だった
北海道での釣りは格別だった

■一度見たら面白いと思ってもらえる自信はある

こうして、さまざまなパーツが重なり合うことによって、決して不快な思いをすることのない、笑いに満ちた長寿シリーズは22年間にわたって愛を享受してきた。そして、主演2人をはじめ誰もが納得する形で“天寿”を全うしようとしている。その前に、西田はより多くの人々に今作を見てもらいたいと切に願っている。

「若い俳優さんが出演する恋愛ものやホラー、地球が滅亡する映画を好んでご覧になる方々には、非常に刺激の少ない作品かもしれません。ただ、今まで食わず嫌いで『オヤジ? うわ、イヤだ』と見過ごしてきた人も、『オヤジもかわいいところもあるのかな』と感じてもらえると思うんです。1度見たら、結構面白いじゃん!と思ってもらえる自信はありますから」

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