「太もものツボは、踊ってしまうツボだったのか!?」母なる証明 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
太もものツボは、踊ってしまうツボだったのか!?
忘れてしまいたいこと。誰だってあるよね。
鍼灸師兼漢方薬店を営む母。貧しくても近所の評判もいいし、知的障害を持ったイケメン息子トジュンを溺愛する母。ベッドの上で一緒に寝る姿は微笑ましくもあり、何か怪しげな雰囲気もある。そんな息子にも親友がいて、ひき逃げベンツを一緒に追いかけサイドミラーも壊しちゃう。警察に行ったことまでスナック“マンハッタン”で自慢しちゃうのです。
そのマンハッタンからの帰りに酔っ払ったトジュンは一人の女子高生の後をつけるが、大きな石を投げつけられて退散・・・次の朝、廃屋の屋上で女子高生アジョンが殺害されていて、目撃者の証言によりトジュンが逮捕されてしまう。虫も殺せない子なのに!と、母はトジュンの無実を信じ、独自で調査を始める・・・といった展開。
前半では冤罪で拘束された息子を助ける内容だとばかり思っていたが、ポン・ジュノがそんな単純な展開にするはずもなかった。不妊治療の写真屋の奥さんもターニングポイントだったし、傷のある女子高生やアジョンを買春しようとする男子高生など、ミスリードする重要人物も多い。そして、トジュンの記憶障害も過去のことから徐々に思い出すというやっかいなもの。こめかみをグリグリすればいいのか!やってみよ。
貧富の差なんてのも最初から見せつけてくれるし、有能(悪徳)弁護士の精神科医や検事を抱き込むという手際が良すぎることも驚きの一つ。さらに、犯罪を追い詰めていくと貧困世帯に集中してしまうところも凄い。やりすぎ。廃品回収のじいさんなんて悲惨なものだ・・・。だけど、この小屋での出来事で、母の心の動きが極端すぎるところもやりすぎ感たっぷり。結局、“母なる証明”てのが殺人者のDNAだったんだとわかると、開いた口が塞がらない。「5歳の時、僕を農薬で殺そうとしたよね」というドジュンの記憶も全てを語っていたのですね。
障害者の点では、最後に名乗り出てきたジュンパルがドジュンよりもさらに重くのしかかる。明らかにダウン症の子なのに、アジョンは自分の恋人だと言い張るジュンパル。「泣くなよ」などと言い放つところはカッコよかったけど、彼もまた精神鑑定を受けて罪が軽くなるんだろうなぁ。
kossyさん
コメントへの返信有難うごさいます。
ある日突然真実を語り始める、母親はそんな畏れを抱えて生きて行くんですね。。
ポン・ジュノ監督の重さ、半端ないです。
kossyさん
何とも言えない重さの有る作品でした。
予想を超える展開は、ポン・ジュノ監督ならではでしょうか。
そうであって欲しくない、無意識にそう願いながら観ていました。
ツボ・・・😳