「甘え」おとうと misuzuさんの映画レビュー(感想・評価)
甘え
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「寅さん」映画は好きだったのですが、正直この山田作品には
入り込めませんでした。
嫁いだ娘が、その夫とメールでやりとりする位なのだから、舞台は
間違いなく現代なのでしょうが、どうにもこうにもセリフが現代劇
ではありえない古さ。
まるで修身の本(見たことないのでイメージですが)を登場人物が
朗読しているかのような不自然な堅苦しさを感じました。
もしかしたら山田監督は現代日本の日本語の乱れを相当に危惧して
おられて、敢えて不自然さに目をつむって、「正しい日本語」
「死語となった美しい言葉の使い方」にこだわったのでしょうか?
なにより鶴瓶さん演じるところの弟の不始末の尻拭いに奔走する吉永姉。
ここに全く共感できなかった。
時には突き放すことも愛のはず。それもお互いいい年の大人。
パチンコで電車賃をすった弟に帰りの旅費を渡すくだりや、女の人との
トラブルの後始末など・・・正直あきれ果てました。
よっぽど弟に対して負い目があるのかと思っていたら、そういった
過去のシーンもなかったし。
劇場では周りの人がみんなハンカチで涙をぬぐっていたのですから、
いい映画と感じる方はたくさんいるでしょうね。
でも私は、こういう話は藤山直美とかに舞台上でやってもらいたかった。
それなら素直に泣けたと思いました。
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