「優しい人に囲まれて死ねる事」おとうと れいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
優しい人に囲まれて死ねる事
笑福亭鶴瓶の若い頃からのファンだ。パペポTVが大好きで本当に笑福亭鶴瓶は天才だなと思う。
ディアドクターで見せた演技も素晴らしかったが、ずっと気になっていて見た。
笑福亭鶴瓶の役柄は、本人そのままのようなキャラなんで、ちょっと演じる側も可愛そうなような、どう演じてもおとうとではなく、笑福亭鶴瓶になってしまう部分がミスキャストのようには思った。ただ良い伝わる演技だった。
吉永小百合の演技は何回かみたが、吉永小百合は常にどんな役柄でも吉永小百合なんだなと感じた。吉永小百合も演技なんだろうが吉永小百合そのもののような感じだ。それはそれで良い感じ。
酒を飲んで迷惑をかけたり、借金をつくったり、親族からも煙たかがれる存在の、てっちゃんだが、憎めない温かで楽しい人間。
人間なんて誰しも短所長所もっているもんで、テツオと付き合うのは親族としては大変な部分もあるかもしれないが、姉がいて、めいが居て、認知症の母がいて、みんな理解してくれていて、良かった。
最期をホスピスで迎えるが、ホスピスで働く小向文世や、石田小百合の演技の温かく優しい言葉が見ていて嬉しかった。なかなかこんな施設もないような気がする。
吉永小百合にてつろうが、私はあなたが居たから寂しいことなんてなかったよ、と伝える、てつろうが、おおきに、と姉に言ったところで涙が溢れた。小春に最後にかけつけた。愛される人たちに囲まれて死ねること、それは幸せなことに違いない。
吉永小百合の旦那がてつろうに娘の名付け親になってもらうくだり。良かった。旦那が懐の深い情に厚い人でそのエピソードだけなのに存在感を放つ。
細かいことはいろいろあるが、一つ思うのは、小春が小さなときのてつろうと姉との場面なども話の流れからは見たかったかな。
鶴瓶の演技も冴えてますよね~
ディアドクターも強烈でした!
石田ゆり子も主演級から脇役級までいい演技しますよね。
死ぬときにはぜひ石田ゆり子に看取られたいものです・・・