「<後半ネタバレ有!>演出・声優・音楽が三位一体となり、ワンピの魅力を詰め込んだ映画!」ONE PIECE FILM STRONG WORLD YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)
<後半ネタバレ有!>演出・声優・音楽が三位一体となり、ワンピの魅力を詰め込んだ映画!
【かなり気合を入れて作られた映画】
2009年の公開当時、かなり騒がれた覚えがあります。脚本・キャラクターデザインを原作者である尾田栄一郎氏が担当し、金獅子のシキの声優には竹中直人氏、主題歌にはMr.Childrenを起用。とても豪華なメンバーが揃っています。来場者に0巻を配ったのもこの映画ではなかったでしょうか。他の映画でもしばらく流行りましたね。0巻配布。
「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」の話題はすさまじく、今でいう「鬼滅の刃」くらいフィーバーしていたいような。初週土日の興収が10億3800万円(80万人動員)となり、2009年下半期もっとも見られた「ハリーポッターと謎のプリンス」の初週土日興収9億9000万円を抜き、初週動員1位となるほどだったんです。みんな尾田氏が製作総指揮を執るワンピース映画を心待ちにしていたんですかね。
ストーリーはゴールド・ロジャーと競い合った伝説の海賊・金獅子のシキが長らくの潜伏期間を経て再び覇権を狙い動き出すと言う話です。ナミの航海術に目を止め拉致。ルフィたちが救出に向かいます。結構コンパクトにまとまってましたし、麦わらの一味個々の見せ場もあり楽しめました。個人的に連載漫画の映画って駆け足感があるように思っていましたが、この映画はそれを感じませんでした。
【原作漫画とのリンク】
金獅子のシキは原作漫画にも登場します。かの脱獄不可能な大監獄インペルダウンを唯一脱走した海賊として、名前が挙がります。原作を読んだ当時、このキャラもいつか登場するのかなと思ていたら、映画での登場となりかなり驚いたのを覚えています。今思うと、ルフィがかなり派手な脱獄をしたので、シキの凄さがちょっと薄らいだかなと思っています笑。
---ここからネタバレ含みます!---
【ワンピらしい演出】
一番らしさを感じた演出は、麦わらの一味がシキのアジトに乗り込むシーンです。敵兵を蹴散らしながらゆっくりと本丸へ向かいます。ルフィたちを止められず慌てふためく敵兵とは対照的に、慌てることなくゆっくりと歩きながら本丸へ向かう姿はとてもかっこいいです!シキのいる大広間へ通じる扉の前で、ウソップの小ボケを挟み(ここもワンピらしい!)、ゾロがスマートに扉をぶった斬り一味が侵入。最後にルフィが広間の中へ入り、一味が横一列に整列します。エニエスロビー編で、司法裁判所の屋上で、CP9と対峙した時のように。ONE PIECEの敵地へ出向き時の集合シーンってほんとかっこいいですよね。昔を思い出せばアーロン編のナミの「助けて」からの、ルフィの「当たり前だぁー!!」「行くぞッ!」でルフィ・ゾロ・ウソップ・サンジの4ショット。アラバスタ編の顔を隠しながらカルーに乗ってアラバスタ城へ向かうシーン。ネタバレさせたときの「残念、はずれ」のコマ(←集合ではないけど……)、別れ際の×マーク。インペルダウン脱獄後のジンベイ・クロコダイル・バギー・イワンコフたちとの異色コラボなど。思い出せばいくつでも出てきますよね。ワンピースの集合シーンは最大の見せ場だと私は思っています。他にもお決まりのボケとツッコミ満載です。シキもボケます笑。ワンピらしさ全開でとても楽しめました。
【シキはどれほど強かったのか】
金獅子のシキはフワフワの実の能力者です。空を飛べるし、触ったものなら大きさに関わらずなんでも浮かせられるんです。この能力を使い、空に国を作り、空飛ぶ船で移動しています。かなりスケールの大きな能力ですよね。ぶっちゃけ、何の苦労もなくラフテルまでたどり着けるんじゃないかと思っちゃいました。(そうならない裏設定がちゃんとあるんですかね?)
闘い方はフワフワの実の能力を最大限に利用します。大地を自在に操り、山のようにせり上げた土の塊を雪崩のように相手へぶつけたり、相手を土の中に閉じ込めたりと、なかなか防ぐのが難しい技を連発してきました。せり上げた土の塊の先端が獅子の形をしているのが特徴ですね。他に嵐脚のような技も使っていました。
ルフィたちはかなり苦戦し、一度惨敗します。簡単にルフィたちを追い詰めました。強い!……とは思いますが、覇気を使えるようには見えません。そもそも覇気を使えないルフィに敗れています。なとなーく、クロコダイルくらいの強さかなと勝手に見積もりました。クロコダイルレベルなら王下七武海と同レベルと言えるので、強キャラ感も醸し出せます。
まぁ、何はともあれ、キャラデザがカッコよく、竹中直人氏の渋い声とのマッチも完璧です!ワンピファンはもちろん、これからワンピを読みたい!と言う方にも、もちろんおすすめです!