「等身大の南極観測隊」南極料理人 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
等身大の南極観測隊
南極観測隊で調理担当だった西村淳氏のエッセー「面白南極料理人」「面白南極料理人 笑う食卓」を映画化。
原作を読んだことがあるんですが、元々面白いエッセーでしたが、映画になるとは思っていませんでした。映画になっても、その面白さは失われていません。しかしながら、劇ではないので、少し冗長かなぁと思うところも。セリフの無いカットが多いんですよねぇ。その辺りをきちんと締めれば、もっとテンポある映画になったのかと思うんですが・・・、と、ここまで書いて気が付いたんですが、のんびりした雰囲気を出すために、セリフの無い、一見無意味と思われるカットを多用したんですかね? だとすれば、間の伸びた感じは充分通じました。
主人公にして原作者の西村淳氏を演じるのは堺雅人。原作本の著者の写真を知っていたんですが、こう言っては西村氏には大変失礼ですが、本人よりだいぶカッコいいですね。で、西村氏は海上保安官で、現役時代は特殊警備隊(本人の著書「面白南極料理人 名人誕生」どおり。特別警備隊ではないかと思うんだけど・・・。)も乗船する準特殊警備船に乗っていたとのことで、警備訓練も受けていたと取れる記述があるんですが、堺雅人はそう言う武闘派の雰囲気は全然無いんですけどね。それから、堺雅人本人は、実は全く料理をしないので、この映画のために料理の特訓をしたそうです。その割に、手元を写すシーンは少なかったかな?
ついでに。西村氏は都合二回南極に行っています。映画では最初の南極行きとして描かれていましたが、原作となった本の方は二回目の南極行きに関してのエッセーなので、その辺りは少し事実とは異なります。まぁ、初めての南極行きのときの話とした方が面白いですからねぇ。
テーマがテーマだけに、食べるシーンばっかりです。結構お腹が空きます(笑)。南極観測隊の生活を等身大に(たぶん)描いた作品です。笑あり、涙は・・・無いですが、笑える面白い映画です。