「生きている証」南極料理人 yoshinodeboさんの映画レビュー(感想・評価)
生きている証
(←5002は旧しらせ観測船)
南極厳冬期の観測時に、あるトラブルが発生
その困難を、8人のプロフェッショナルが
それぞれの得意分野で協力しあい克服する。
中心には、主人公の料理人が作る料理を
食べること(バイタリティとかエネルギー)
で、各人の連帯、結束、絆を深め
最後には、わだかまりのあった
日本の家族とも理解し合える。
という、ありがちなあらすじでは無く
ほぼ内容はコメディーです。
原作本タイトルには、『面白』って言葉入ってるし。
食べ物メインの話であり、氷と南極の空、合わせて
白銀とブルーの綺麗な映像かと思いきや
髭面の顔アップに、飯をかきこむシーン
味噌汁を『ズーズー』すする音や、
オムスビを作るときの、手のアップ 米粒が粘る音『ヌチャヌチャ』
このあたり、生活音であるし、生きている証でもあり
音がないと嘘臭いけれど、やや不快。
そして、うんこ、おなら、おしっこもネタとして入っていて
南極で、大人が子供の悪ふざけしている感がありますが
行為が子供っぽくなる、のは過酷な単身赴任生活の故と
考えるべきでしょう。
そして料理人以外の
隊員の仕事姿は、笑いの一部として登場
プロフェッショナルとはあえてズレています。
その後は、小ネタを挟みつつ
終始、冗長ぎみの間をもって進行し
基地内部のみすぼらしさや、衣装にも気をかけない
リアリティのある映像がでてきますが、
単身赴任者の困難さが改めて強調されます。
そしてついに、1年半ぶりに帰国。
娘との久しぶり再会ですが
おとうさんを疎ましく思う娘さんが怒るときの
憎々しい表情は特筆もの
その表情で、配役が決定したと考えてもいいくらい。
久しぶりに帰ってきても、
態度が出発前と変わらないのが子供らしく媚びてなくて良い。
(でも、途中父親思いの場面もありました。)
そして、エンドロール
南極基地内で、半分冗談のような約束を全員で
するのだけれどその約束を果たす映像が流れます。
映画のなかで一番感動のシーンでした。