「『クイーン』のエリザベス女王を思い出す。」ダウト あるカトリック学校で maricobabylonさんの映画レビュー(感想・評価)
『クイーン』のエリザベス女王を思い出す。
「あまり期待しないほうがいい」と言われ、期待しないで観たら
すごくよかった★★★★★
暗い画面だし、寝そうかと思ったら、全然眠くならず。
一緒に行った友達は、そうでもなかったと・・・。
みんなの演技がすごかった!
メリルVSフィリ・シーの対決は特にすごい。
メリルと黒人母の歩きながら話すシーンはせつない。
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厳しい校長を演じるメリル・ストリープは
『クイーン』のヘレン・ミレンを思い出させる。
高潔で厳格な性格は、誤解を受けやすいものです。
彼女はすごくヒステリックでどうかと思うところもあるけど、
誰かが厳しくないと秩序を保つのは大変だし、
大切なものを守るためには、何かを犠牲にすることも厭わない。
基本的には、人の意見をきちんと聞くし、
やさしい人だと思う。全て良かれと思っての行動。
最後のシーンは涙なしには見れません。
『マンマ・ミーア』で踊り歌い狂ってた人と同一人物とは
思えません。やっぱりすごい女優かも。
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フィリップ・シーモア・ホフマンも相変わらずすごい。
憎たらしい神父役がぴったり。
彼の教会での語りは、すごくよい。
冒頭のかたり「疑惑」では、つらい時代では、みんながその気持ちを共有でき、
絆が生まれる・・・
確信がもてない時、あなたはどうしますか?・・・など。
「不寛容」では噂を信じて枕を切り裂く女の話が絶妙。
彼が着ている神父服は坊主の正装に通じるものがあるなぁ。
『カポーディ』『mi3』などクセのある役がピッタリだなぁ。
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新米シスター演じるシスター・ジェイムズも良かった。
一番共感した。純粋すぎる新米感に共感。
シスター・アロイシスに「自分が楽になるために、本当は疑惑があるのに
信じるんですか?」というのは図星だなぁ。
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黒人母役のヴィオラ・デイビスは切ない。
「なにかあっても6月まで」。
学校で唯一の黒人の息子がいろいろ苦難があるのは知っていても、
将来を考えると我慢させるしかない。
そんなのひどいよ!と思うけど、仕方ないのかもしれないなぁ。
せつない。。。
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ダウト~疑い
何が真実で、何が真実でないのか・・・
難しい問題。
ちょっとした事で誤解を受けることもあるし、
誤解をしてしまうこともある。
誤解を受けない行動と、誤解を受けてもそれを覆せる生き方を
していきたいものです。
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シスターたちの静かな食事と牧師たちの堕落した?食事の対比は
いろいろなことを表していた。
子供たちがボサノバ踊るのがかわいい。
子供がキラキラ女教師眼鏡をしているのもかわいい。
日曜の朝にミサがあるのは、よい風習だなぁ。
早起きするし、きれいな服着るし。
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ネタバレ
男性が好きなのは良いけど、子供はダメ。
あの男の子には、別のやり方でみんなになじめるようにするべき。
なぜシスターたちは、もっと彼を気にかけてあげなかったのかなぁ。。。
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2009/4/1映画の日のチネ1(107席)はほぼ埋まる。
D3は観やすかった。A~Cは傾斜がきつく首が痛くなりそう。