「言葉は拳より強し」フロスト×ニクソン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
言葉は拳より強し
2008年度のアカデミー賞作品賞ノミネート作。
本命視されていた「スラムドッグ$ミリオネア」や「ベンジャミン・バトン」、ショーン・ペンの熱演が話題の「ミルク」、ケイト・ウィンスレットの熱演が話題の「愛を読むひと」と比べると地味だが、決して見劣りはしない。
TV番組の司会者フロストとウォーターゲート事件で失脚した元米大統領ニクソン、伝説的と言われているインタビュー番組を映画化した実録ドラマ。(基は舞台劇)
このインタビューを機にさらなる人気を狙うフロスト。
このインタビューを機に政界復帰を狙うニクソン。
一方は相手から本音を吐き出させようとし、一方は相手を丸め込もうとする。
腹の探り合い、虎視眈々と機会を狙う両者のやり取りは、言葉のバトルと呼ぶに相応しい緊迫感で、会話劇の醍醐味たっぷり。
“ペンは剣より強し”というより“言葉は拳より強し”。
フロスト=マイケル・シーンとニクソン=フランク・ランジェラの演技がとにかく素晴らしい。
特にフランク・ランジェラの狸爺ぶりは見事。
ロン・ハワード監督にとってもここ数年で最上の一本。
「ダ・ヴィンチ・コード」も「天使と悪魔」もパッとせず、「僕が結婚を決めた理由」なんてガッカリしたからなぁ…。
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