「これは間違いなく決闘の映画。」フロスト×ニクソン sigeさんの映画レビュー(感想・評価)
これは間違いなく決闘の映画。
未見ながら私の中ではこの映画の印象は悪かった。
“オスカー好みの臭いがプンプンしてスタジオのゴリ押しで、
前評判の高かった「ダークナイト」がオスカーノミネートされなかった”。
そういう偏見を持っていました。
初めは“私の大好きなハンス・ジマー先生のスコアを聞いてみよう”程度の気持ちと
好きなジャンルの“実話もの”という動機から鑑賞してみると・・・
なかなか面白いじゃないですか。
最近、世間の高評価映画にどうも合わない私は初め構えていました。
しかし、1回目のインタビュー前の打ち合わせの時に構えは無くなりました。
はじめてフロストとニクソンが対面するシーン。
それまでにニクソンの“政治復帰したいという野望”と
フロストの“栄光を手にしたい野望”が丁寧に描かれ、
ニクソンの観察眼の鋭さを表す一言。
感想は“タヌキだなぁ。”
インタビュー前の些細なやりとりもニクソンは計算ずくで
軽いジャブを出してくるあたりがやらしい。
本当にやらしいんです。
さすがは“チャンピオン”
インタビューは計4回(4ラウンド)。
終わるたびにセコンドと作戦を練り直す辺が
本当にボクシングの試合を見ているようでした。
「大統領の陰謀」を遠い昔見ていましたが、
ウォーターゲート事件の前知識はほとんどありません。
それでも十分楽しめます。
しかし事前に前知識で事件に関することを調べておくとより楽しめます。
また、有名な“ニクソンとケネディ”のTV討論も調べておくと
作品をより楽しめます。
こういう作品を見ると
やはりロン・ハワードはうまい監督だなぁと改めて思いました。
変な話題作を撮らないでこういう小作品をどんどん撮って欲しいです。
特にドキュメンタリーのような政治ものを撮れば
こちらとしても見やすく勉強になります(笑)
しかしこの作品、日本では“北大路欣也×仲村トオル”で舞台化されているんですね。
観てみたかったな。
あ、ハンス先生はいい仕事してましたよ♫