「祝!ミッキー・ローク完全復活!!」レスラー mori2さんの映画レビュー(感想・評価)
祝!ミッキー・ローク完全復活!!
ミッキー・ローク完全復活!“第66回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞”“第65回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞”ほか世界の映画祭で受賞多数の感動作。何で、アカデミーはノミネート止まりだったのか?非常に残念!
よくある話です。“どん底まで落ちた男が、そこから這い上がり、自分の生きる道を見つける”本当にありふれた、よくある話です。でもコレが、非常に感動的なのですよ!何がイイって、ミッキ・ロークが素晴らしい!!何故なら映画を観ている我々には、本作の主人公ランディの生き方が、ミッキー本人のこれまでの生き方に、まさにオーバーラップして見えてくるんです。
思えば80年代、”SEXYスター”としてハリウッドに君臨していたミッキーは、あの伝説の“猫パンチ”一発でその栄光の座から転がり落ち(いえ、決して“猫パンチ”だけが原因ではありませんが、あまりにも当時のインパクトがデカかったモンで…(^^;)、以降数年…もとい十数年間、不遇をかこっていました。そんなミッキーが本作で挑んだのは、まさにリアルな“男の復活ストーリー”でした。聞けば、監督のダーレン・アロノフスキー(←レイチェル・ワイズの旦那!)は、『ランディ役は絶対にミッキーで!』と主張して、スタジオとケンカ。予算を削減されても、ミッキーの主演を死守したそうです。エラい!!いやあ、エエ話やな~!!ミッキーも、その思いに演技で充分に応えています。それはスクリーン越しに我々にもヒシヒシと伝わってきます。
吾輩は「ナインハーフ」とかでバリバリ売れていた頃のミッキーは、正直好きじゃありませんでした。『何や、ただのニヤけたスケベやないかい!』って、感じがしてましたので(今思えばコレは、当時の吾輩の単なる“やっかみ”だったような気もしますが…爆)。あれから幾年…。本作でのミッキーは、見た目ホントにただの“オッサン”なんですよ。でもね~、そこがイイんですよ。『味がある』とかそんな単純な表現では言い表せない何とも言えない雰囲気、オーラが滲み出ています。必殺技“ラム・ジャム(フライング・エルボーの両手版)”を繰り出すために、トップロープから跳ぶミッキーの、何と美しいこと!吾輩的には、今のミッキーの方が断然イイ!冒頭にも書きましたが、なぜオスカーが獲れなかったのか…?いやそりゃショーン・ペンも良かったですけど、過去にもう1回獲ってるんやから今回はミッキーでもイイやんか!って思ってしまいました(そんな問題ではないか(^^;?)。でも、ホントに良かったです。完全復活、おめでとう!
映画としては、“よくある話”と書きましたが、プロレスファンなら思わずニヤリとしてしまうネタが満載で、その辺がとても面白かったです。対戦するレスラー同士が、事前に段取りを打合せしてたり、流血シーンを自作自演するために、テーピングに細工してたり、極め付けは“中東の怪人”みたいに言われているレスラーの正体が、実は〇〇〇〇だったり…。これは決して“ヤラセ”ではありません。プロレスはあくまでも“エンタテインメント”でございますから(^^;。
あと、この映画で特筆すべきはマリサ・トメイ姐さんの脱ぎっぷり!いやあ、この人凄いわ。腐っても“オスカー女優”でっせ!何もそこまで身体ハラんでもええんちゃうの?そりゃまあキレイな身体したはりますから、目の保養にはなりますが何と彼女、“アラフォー”どころか“オーバー40(1964年生まれ)!”なんですね。いやあ、全然そんな風には見えません。これからもドンドン脱いでいただいて…(違)。