「なんかちょっとおしい。」ゼロの焦点 よもぎだんごさんの映画レビュー(感想・評価)
なんかちょっとおしい。
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広末さん、新妻の初々しさが出てて良かったと思います。世間で言われてるあの甘ったるい声も、私はさほど気にならなかった。もう少し原作にあった新婚旅行の様子などが映像にあったら、二人の夫婦の絆が観客にも感じとれたのではないでしょうか。原作を読んでしまった私として残念なのは室田夫妻の描かれ方。
あれはちょっと、変えすぎでは。主人公の禎子がストーリーテーラー的な役割だったから、作品にインパクトを加味するためかもしれないけど。佐知子役の中谷さんに、やたらオーバーな演出でちょっと食傷気味。原作にない登場人物を二人も出すなら、せっかく西島さんをキャステングしたんだから憲一の内心にもっと迫った脚本を書いてほしかったです。監督のインタビューによると「憲一は謎がある雰囲気を出せる西島さんに」と決まったようですが、あの程では人物像も観てる方としては、摑みにくいでしょう。木村さんの薄幸な役を観るのも飽きてしまった。「この人にこういう役をやってもらえば安心」みたいな感じ。文句ばかり書いてしまいましたが、昭和の風景や北陸の風景は良かったし、二つの殺人事件の演出も良かった。女優さんは綺麗だし、西島さんの筋肉にも見惚れた(ミーハー心も満足できた)なんか、つまらないとは言いきれない作品。だからこそ、役者の持っている実力にに頼らず、その役者の魅力をもっと引き出すような脚本や演出が欲しかったです。
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