「スカスカ、グダグダ」20世紀少年 最終章 ぼくらの旗 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
スカスカ、グダグダ
自ブログより抜粋で。
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完結編ということで、“ともだち”の正体、すなわち「“ともだち”は誰なのか」という最大の謎はもちろん解決するし、どうして彼がこんなことをしたのかという心理的要因、「“ともだち”とは何なのか」という意味においての「“ともだち”の正体」にまで踏み込んでいたのは評価する。
ただ、三作通して、どうして“ともだち”がここまでのことを成し遂げられたのかという過程がスカスカで、どうしても説得力に欠いてしまうのは相変わらず。
この“過程軽視”は“ともだち”のみならず、他の登場人物たちにも共通していて、例えば「ワクチンを開発できました」(現在完了形)ってだけのために登場し、そのままフェードアウトするキリコ(黒木瞳)の扱いを見ても、同様の消化不良を感じずにいられない。カンナ(平愛梨)の実母なのに、なんで全員集合のクライマックスにいないのさ。
ほかにも、カンナが抵抗軍のリーダーになっていたり、“ともだち”側だった人たちが勝手に改心していて反旗を翻していたり、と、ことごとく結果だけが提示されるご都合主義の羅列で、映画というものに期待するドラマチックさからはほど遠い。
(中略)
ただ今作での白眉は、神木隆之介クン。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、たったあれだけの出演時間で、その役柄のみならず、このグダグダな作品に一定の説得力をもたらした彼の表情で訴えかける演技は賞賛に値する。
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