「映画化とは難しいものですね」沈まぬ太陽 gymnopedieさんの映画レビュー(感想・評価)
映画化とは難しいものですね
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滑り込みで観てきました。間に休憩が10分間入った、3時間を超える長編力作だったと思います。俳優陣も豪華キャストで、あの人があれだけしか出てないの?と思うこともありました。予算や某航空会社との駆け引き、さまざまな分野からの意見、批判など多くの障壁があったでしょうが、それでも完成の日を迎えることができたのは、監督をはじめ、映画化に携わった多くの方々の執念ゆえでしょう。その意味でこの映画はできるだけ多くの日本人が観るべき映画だと言えます。
ただ、個々の場面では、時間の制約から描ききれなかったところが散見されたのは残念でした。たとえば、恩地元はなぜ10年もの僻地勤務から帰国できたのかが描かれていないし、国見正之が会長を解任されるに至る流れもはっきりしません。少なくとも私にはよくわかりませんでした。原作を読んでいない方には、展開がうまくつながらないところがあったのではないでしょうか。
それでも渡辺謙さんが見せる、鬼気迫る狂気の表情や無念の表情は必見です。蛇足ですが、石坂浩二さんや品川徹さんを見ると、「白い巨塔」の東教授と大河内教授の姿がダブるのは私だけでしょうか。
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