「期待しすぎたか」ハゲタカ かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
期待しすぎたか
自ブログより抜粋で。
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大変評判の良かったドラマ版の噂は知っていたが、結局未見のままでこの映画版を観た。
結論から言うと、ドラマ版を知らなくても一応話にはついていけたのだが、やっぱりドラマ版を観ておけばよかったと激しく後悔。
劇場用パンフレットに載っているドラマ版のあらすじを見る限り、登場人物たちの因縁を知っているのと知らないのとでは、この映画に対する評価もだいぶ違っていたに違いない。
映画版だけ観ると、松田龍平の演じる西野弘なんて別にいらないじゃんて思ってしまう。
そういうわけで、ドラマ未見者としての感想になるが、幾度となく吐かれる含蓄のあるセリフの数々に世界経済の現状、日本の社会のありようを考えさせられる、まさに社会派ドラマとしての醍醐味に溢れた力作。
リアルな経済ドラマとして難解な専門用語も飛び交うが、わかりやすいストーリーのお陰で、ちんぷんかんぷんで混乱してしまうなんてことはない。
ただ、国際色豊かに外国語も多く飛び交うのだが、その字幕スーパーの出し方が不親切で見辛い。
またこれは劇場の問題かもしれないが、ただでさえわかりにくい専門用語をまくし立てるセリフが聞き取りづらいのもいかがなものか。
懸念していた専門用語ではなく、それ以前のところでずいぶんとストレスがたまった。
“伝説のハゲタカ”vs.“赤いハゲタカ”の対決も、案外あっけない決着。もっともっとサスペンスフルな展開を期待していたのよ。
とってつけたような劉の後日談も、彼の真意が曖昧になってしまっただけのように思う。
評判のいい骨太な社会派ドラマということで期待も大きかったのだが、その期待に一歩及ばず。
なるほどと勉強になったりはするのだが、きまじめなドキュメンタリーを観ているような印象で、娯楽映画としてのケレン味には欠く。その辺はドラマ版でやり尽くしたということなのだろうか。