劇場公開日 2009年6月6日

「硬派の上質経済ドラマ。」ハゲタカ りりーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5硬派の上質経済ドラマ。

2009年6月10日
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

予告編で見た玉山鉄二さんの、≪あ~、そ~≫(私の自分勝手な想像の言葉)という、あの冷たぁ~いお目々を見たくて、見に行きました。

期待通りの素晴らしい演技で、感服しました。
野心、冷徹さ、傲慢さ、研ぎ澄まされた鋭利さ、そして心の弱さ。
どれも、素晴らしかった。
「手紙」で見せた弱さ、あるいは大河ドラマで見せた反骨精神、ただのイケメンではなくなりましたね。
何となく、ニコラス・ツェーに似ていて、劉一華という名前にも、違和感は感じませんでした。

何度も脚本を書き変えたというだけあって、ストーリーも良かった。

ライブドアVSフジテレビで、企業買収も身近に感じられるようになっていた(エンドロールに、ニッポン放送の文字を見つけ、苦笑)し、ホワイトナイトという言葉も覚えていたので、ストーリーに入り込み易かった。

リーマンブラザーズの破綻で、「100年に1度」の世界不況に陥り、最近ではGMの破綻。
派遣切りや、物作りより資産運用に必死になる経営者。
そのリアルさは、作品の命ともなった。

単なる金儲けでもなく、会社の対立だけでもない。
今、目の前にある現実を必死になって変えようとする人間たちの強い意志を感じる。
生き抜く力を感じる。
素晴らしい経済もの作品でした。

りりー