キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語のレビュー・感想・評価
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50~60年代の音楽シーンを垣間見る
随分古い話なので実話と言われてもピンとこない、ロックンロールの開祖、独特の演奏スタイルで鳴らしたギターの名手チャック・ベリーくらいは知っていたが個人的にはモダンジャズの方が好みだったのでレーベルは初耳、チェス・レコードなのにキャデラック・レコードと言われたのはレコードを車(キャデラック)で売りさばいていたのでついた俗称のようだ。
映画では初期のころからスタジオワークに参加したウィリー・ディクスン(ベーシストで作曲家)の回想のように展開するから彼の記憶、視点でのレーベルの歩み、栄枯盛衰なのだろうか。一応映画だから脚色があるのは当然だと思う、チェス・レコードはポーランドからのユダヤ系移民だったチェス兄弟(レナードとフィル)が築いたが映画では兄のフィルは登場しないし、リトルウォルターがいかに短気でも人殺しはしていないだろう、ビョンセ扮するエタ・ジェームスも娼婦としてレナードと出会い歌手の道に入ったように描かれるが既にモダン・レコードのガールズグループ・ピーチズのメンバーとして活躍していた。所属アーティストは黒人ばかりだが音楽的嗜好は別としてレナードがユダヤ系なので白人の人種的偏見への嫌悪、反動があったのかもしれない。ただ、メディアに賄賂作戦や印税の代わりに新車のキャデラックで誤魔化しているようでもあり、なかなかの商売人でもあったのだろう。
まあ当時のミュージシャンの私生活はジャズでも同じ、ジャンルを問わず酒や薬物で身を持ち崩すのだから観ていて気が滅入る・・。Youtubeでエタ・ジェームス本人の歌唱を聴いてみたが、彼女のパワフルな発声は少女時代の教会合唱隊時代にスパルタ的なボイストレーニングを受けたせいだとされているがビョンセが驚くほど特徴を捉えていたので驚いた、総じて映画の見どころは多くのスタジオ録音シーンなのでしょう。
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