「キャデラックは成功の証 アメリカ黒人音楽の歴史の一幕」キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
キャデラックは成功の証 アメリカ黒人音楽の歴史の一幕
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
音楽で成功を夢見る男たちの、ぎらぎらとした欲望が渦巻いていた。金に女にキャデラック。差別が強くて黒人の音楽は全て「レース・ミュージック(Race music)」と言われていたこの時代、車自体が高嶺の花だったのに黒人が高級車キャデラックを手にするのは成功の証であり象徴であろう。
そんな時代の社会を描くのがなかなか上手い。当時の人々の価値観や生き様がだいぶん現代とは違うが、それを映画用に角を取ってまるくするのではなくて、登場人物の素行の悪さや賄賂や犯罪行為といった悪い部分も含めてそのままぶつけてくる描き方が気に入った。ただしチェスが信頼を失って会社を去る状況はもっと詳しく描いてほしかった。
チャック・ベリー以外の登場人物のことは知らないが、事実に基づく話だしアメリカの戦後の音楽の歴史の一幕がわかって面白い。実は前から似ているとは思っていたが、ビーチボーイズの「サーフィンUSA」がチャック・ベリーのぱくりで訴訟になっていたのは知らなかった。同様に黒人音楽の歴史を扱った「ドリームガールズ」よりもこちらのほうが気に入った。
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