キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語のレビュー・感想・評価
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歌手を見極める目とレコードを売る腕
エイドリアンブロディ扮するシカゴに住むレナードチェスには結婚したい女性がいたが、将来設計が無いため父親に女性が連れ去られた。レナードチェスは、レコード歌手を探す仕事にありつきジェフリーライト扮するマディウォーターズをレコーディングしないかと誘った。レナードは肌の色を気にせずマディと組んで音楽から金を生み出そうと南部へ行ってラジオ局に乗り込んだ。ふたりは家族だと言った。
そりゃあレナードが売れ始めたら嬉しいだろうね。レナードは歌手を見極める目とレコードを売る腕を持っていたんだね。ギターが弾けて歌が歌えればスターになれる。1955年に絶頂期を迎えた実話だそうだ。
ロックの源流?
実在したチェス・レコードを題材にした作品。1曲当てれば一生遊んで暮らせるかのような演歌的な1940年代のシカゴにタイムトリップが楽しめました。ご多分に漏れず、金が入ると酒にヤクに女に暴力…という典型的な展開はともかく、音楽がカッコイイので飽きませんでした。製作にも名を連ねているビヨンセの出演作はたぶん初めて観ましたが、さすがに魅力的でした!チャック・ベリーもこのレーベルでスターになったとか、ビーチ・ボーイズが盗作してたとか、後のロックに多大な影響を与えたとか、知らないことも多くて、とても興味深い内容でした。
50~60年代の音楽シーンを垣間見る
随分古い話なので実話と言われてもピンとこない、ロックンロールの開祖、独特の演奏スタイルで鳴らしたギターの名手チャック・ベリーくらいは知っていたが個人的にはモダンジャズの方が好みだったのでレーベルは初耳、チェス・レコードなのにキャデラック・レコードと言われたのはレコードを車(キャデラック)で売りさばいていたのでついた俗称のようだ。
映画では初期のころからスタジオワークに参加したウィリー・ディクスン(ベーシストで作曲家)の回想のように展開するから彼の記憶、視点でのレーベルの歩み、栄枯盛衰なのだろうか。一応映画だから脚色があるのは当然だと思う、チェス・レコードはポーランドからのユダヤ系移民だったチェス兄弟(レナードとフィル)が築いたが映画では兄のフィルは登場しないし、リトルウォルターがいかに短気でも人殺しはしていないだろう、ビョンセ扮するエタ・ジェームスも娼婦としてレナードと出会い歌手の道に入ったように描かれるが既にモダン・レコードのガールズグループ・ピーチズのメンバーとして活躍していた。所属アーティストは黒人ばかりだが音楽的嗜好は別としてレナードがユダヤ系なので白人の人種的偏見への嫌悪、反動があったのかもしれない。ただ、メディアに賄賂作戦や印税の代わりに新車のキャデラックで誤魔化しているようでもあり、なかなかの商売人でもあったのだろう。
まあ当時のミュージシャンの私生活はジャズでも同じ、ジャンルを問わず酒や薬物で身を持ち崩すのだから観ていて気が滅入る・・。Youtubeでエタ・ジェームス本人の歌唱を聴いてみたが、彼女のパワフルな発声は少女時代の教会合唱隊時代にスパルタ的なボイストレーニングを受けたせいだとされているがビョンセが驚くほど特徴を捉えていたので驚いた、総じて映画の見どころは多くのスタジオ録音シーンなのでしょう。
ブラックミュージックファン必見
映画の起承転結がそのままブラックミュージックの歴史と対応する見事な構成
ブルース以前、チェスレーベルとブルースの誕生、ロックンロールとソウルミュージックの誕生、チェスとブルースの終焉
マディウォータース、リトルウォータース、ハウリンウルフ、チャックベリー、エタジェームス
伝説の巨人達がどうブラックミュージックの歴史を作りあげていったのか
生きた人間達の生々しいエピソードを積み重ねて見せてくれます
断片的にしか知らない文字だけの略歴が、彼ら彼女らの人生のストーリーとして本当に生きていた等身大の人間のドラマとなって描かれています
ビヨンセが本当にエタジェームスに見えるのがすごい
ミネソタファッツのエピソードは
映画ハスラーを見ていれば更に感慨深い
劇中クロスオーバーという言葉がキーワードとして登場します
黒人だけの人種限定音楽が、ブルースを経てロックンロールでチャートのページをクロスオーバーする
クロスオーバーの概念を視覚的にヒットチャートのページをクロスオーバーする様子で見せてくれたのは正直目からウロコ
素晴らしい表現だと感動しました
ロックンロール前夜
ブルース〜ロックンロール〜リズム&ブルースとアメリカのルーツ・ミュージックをM・ウォーターズを核としながらレーベル、チェス・レコードを描く贅沢な伝記映画。
主要登場人物が多いから存分にそれぞれを描くのには物足りなさもあるが飽きることなく楽しめる。
中盤からビヨンセの見せ場になる歌唱力に飽々とストーンズのメンバーのクオリティの低さにもビックリしてしまう!?
リトル・ウォルターの破滅的な人生にM・ウォーターズとH・ウルフの険悪な関係性に滑稽なC・ベリーと魅力溢れる人物を間違いない役者陣が演じ物語もテンポ良くシカゴ・ブルースに触れるには良い教材的な作品になっていると思う。
若かりし頃にバスキアを演じた俳優が渋みを増しM・ウォーターズを演じているのも面白い。
キャデラックは成功の証 アメリカ黒人音楽の歴史の一幕
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
音楽で成功を夢見る男たちの、ぎらぎらとした欲望が渦巻いていた。金に女にキャデラック。差別が強くて黒人の音楽は全て「レース・ミュージック(Race music)」と言われていたこの時代、車自体が高嶺の花だったのに黒人が高級車キャデラックを手にするのは成功の証であり象徴であろう。
そんな時代の社会を描くのがなかなか上手い。当時の人々の価値観や生き様がだいぶん現代とは違うが、それを映画用に角を取ってまるくするのではなくて、登場人物の素行の悪さや賄賂や犯罪行為といった悪い部分も含めてそのままぶつけてくる描き方が気に入った。ただしチェスが信頼を失って会社を去る状況はもっと詳しく描いてほしかった。
チャック・ベリー以外の登場人物のことは知らないが、事実に基づく話だしアメリカの戦後の音楽の歴史の一幕がわかって面白い。実は前から似ているとは思っていたが、ビーチボーイズの「サーフィンUSA」がチャック・ベリーのぱくりで訴訟になっていたのは知らなかった。同様に黒人音楽の歴史を扱った「ドリームガールズ」よりもこちらのほうが気に入った。
音楽でアメリカを変えた人々の物語 の割には…
R&Bに興味のある方に、おすすめします。
今の時代のR&Bのルーツが少し勉強出来ます。
ビヨンセの歌声目当てで観ましたが、あんまり歌ってくれなかったのが少し残念。
(ドリームガールズっぽいのを期待してました)
最後がちょっと雑な締め方だったけど実話に基づいた映画らしいので、なんだかんだで満足です。
古き良きアメリカ
黒人を差別する時代に
黒人歌手で一山当てた白人が造ったレコード会社の物語り
成功した証にキャデラックを与えます
キャデラックの高級度がおじさんには少しわからないのですが
とってもすごいことだったんでしょう
ビヨンセ綺麗です
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