劇場公開日 2009年3月27日

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「これは家族の映画です」マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと kerakutenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これは家族の映画です

2009年3月21日
鑑賞方法:試写会

泣ける

難しい

幸せ

買い得の「セールわんこ」マーリーは、
お利口のはずのラブラドールなのに
とんでもないおバカわんこでした。
壁も椅子も枕もなんでも食べまくり、
ところ構わずマウンテンポーズ、
訓練学校も退学処分、
雷におびえるとガレージを壊し、
食欲旺盛で、45kgの巨大犬に・・・

前半はマーリーのめちゃくちゃぶりに大笑いでした。

猫にはわがままが許されても、
犬は本能的に主人に従うもの。
それができないのは、飼い主に理由がある、
という偏見(?)があって、
おバカな犬の飼い主はどこへいっても
肩身が狭いけれど、
ちゃんとマーリーを受け入れている
グローガン家の人たちは立派です。

主役はマーリーではなく、ジョンとジェーンだと思いました。
新婚カップルだった二人が
仕事人としておたがい敬意をはらいつつ、
伴侶としてささえあい、いたわりあい、
ときには衝突しながらも家庭を築き上げていくその過程に
すごく共感しました。

ジェーンは自分で選んだ「専業主婦」の道が
想像以上に過酷で重労働。
閉塞感からいらだってジョンに当たったり、
ジョンにしても、家計をひとりで支える立場で、
やってあげられることは限られるし、
なかなか計画通りにはいきません。
夫婦を何年も経験してきた人たちにとっては
どれも心当たりのあることです。

家庭をもたず、犬も飼わず、
自分のやりたい仕事に没頭でき、
順調にキャリアアップしている
独身のセバスチャン。
彼をうらやましく思った
時期もあったジョンでしたが、
3人の子どもたちと大きな犬のいる生活。
これは一朝一夕には築けないコニュニティです。
グローガン一家の集合写真にじっと見入る
セバスチャンの姿が印象的でした。

主役の二人は、ラブコメが似合いそうなブロンドの美男美女で、
結婚してめでたしめでたし・・・のその後、といった感じ。
二人とも他の異性には見向きもせず、
ずっと愛し合っているのがうれしかった。
(ドラマではなかなかないことです)

kerakuten