「ひばり(染谷将太)と女たち」パンドラの匣 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
ひばり(染谷将太)と女たち
原作者は昔の青森で青春時代を過ごした太宰治。方言や訛がミックスされた独特なニュアンスを持つ言葉遣い。
パンドラの匣というタイトルの意味については劇中で紹介している通りであって、本作は登場人物たち各々の明るい希望の物語である。
私にとってパンドラの箱と言えば「BRAN-NEW LOVER」(BUCK-TICK、2000年発売)。
ところで、竹さん役の川上未映子さんが日本文学の風景を一夜にして変えてしまったと言われている芥川賞受賞作「乳と卵」(2008年)が氣になる。
舞台は戦後の“辺鄙な場所”。
本作のロケ地は 3.11 で罹災する前の宮城県南三陸町。
音律が気高く澄んでいる全編アフレコ映画。
入院患者の二十歳の男の子ひばり(染谷将太)が主人公。
つくし(窪塚洋介)と手紙のやり取りをするよ。
看護師のマア坊(仲里依紗)の金歯は本当に先鋭的。
看護師長の竹さん(川上未映子)は「いやらしい。」と言う。
“新しい男”という表現が面白い。
療養所での挨拶が印象的。
看護師「ひばり。」
ひばり「なんだい。」
看護師「やっとるか。」
ひばり「やっとるぞ。」
看護師「がんばれよ。」
ひばり「よし来た。」
終盤の“献身”の講話がすばらしい。
ラストも良かった。
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